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バイデン米大統領、AIの安全性に関する大統領令に署名
ジョー・バイデン米大統領は、AIの安全性とセキュリティに関する基準確立を目指す大統領を発令した。大手AI企業から7月に確保した自主的な約束に基づいている。
ジョー・バイデン米大統領は10月30日(現地時間)、AIの安全性とセキュリティに関する新たな基準の確立を目指す大統領令に署名し、発令した。
この命令は、AIの安全性と信頼性の新しい基準を確立し、米国民のプライバシーを保護し、公平性と市民権を推進し、消費者と労働者を支援し、イノベーションと競争を促進し、世界での米国のリーダーシップを推進するもので、以下の8項目を目標とする。
- AIの安全性とセキュリティの新しい基準:強力なAIシステムの開発者に、安全性のテスト結果やその他の重要な情報を米連邦政府に報告することを求める
- 米国民のプライバシーの保護:プライバシー保護技術の有効性を評価するガイドラインを作成する
- 公平性と市民権の推進:AIの無責任な使用による差別やバイアス、その他の悪用を防ぐためのガイドラインやベストプラクティスを開発する
- 消費者、患者、学生の支援:ヘルスケアにおけるAI活用の推進、教育を変革するAIの可能性を具体化する
- 労働者の支援:AIが労働市場に与える潜在的影響に関する報告書を作成し、労働者支援強化の選択肢を特定する
- イノベーションと競争の促進:米国全土でのAI研究を促進するため、研究への助成金を拡大し、公平でオープンで競争力のあるAIシステムを促進する
- 海外での米国のリーダーシップ推進:国際的なAI標準の開発と実装を加速する。「G7ヒロシマサミットでの日本のリーダーシップ、英国で開催予定のAIサミット」や国連での議論を支援し、補完していく(中国には言及していない)
- AIの責任ある政府の使用の確保:政府機関によるAI使用に関するガイダンスを発行し、あらゆるレベルの職員にAIトレーニングを提供する
この命令は、バイデン政権が大手AI企業から得た自主的な約束に基づいており、AIに関して拘束力のあるバイデン政権による初めての行動になる。
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