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第1回 直販PC市場に斬り込む日本HP――ノートブックPC編PC USERが斬る!(1/2 ページ)

 ITmediaの読者には釈迦に説法かもしれないが、インターネットや電話で購入できる直販PCが元気だ。その人気の秘密は、量販店やPCショップの店頭で売られているモデルと同じ、あるいはそれ以上のスペックを持つ製品を安価に入手できること、PCのスペックを自分の好みにあった形でカスタマイズできることにある。

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話題を集める直販PC

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 ITmediaの読者には釈迦に説法かもしれないが、インターネットや電話で購入できる直販PCが元気だ。その人気の秘密は、量販店やPCショップの店頭で売られているモデルと同じ、あるいはそれ以上のスペックを持つ製品を安価に入手できること、PCのスペックを自分の好みにあった形でカスタマイズできることにある。店頭モデルのようにその場で持ち帰ってすぐに使うことこそできないが、24時間365日いつでも自由に注文可能な点は直販PCならではのアドバンテージだ。広い店舗を歩き回ったり、人混みをかき分けることなく、PC本体や周辺機器、サプライ製品を買えるのも見逃せない。

個人向けPCに本腰を入れる日本HP

 最近ではNECや富士通、ソニーといった国内の大手PCメーカーも直販事業に力を入れている。そのような中、PCの世界シェアでデルと熾烈なトップ争いを繰り広げているヒューレット・パッカード(以下、HP)も、個人向けPCに本腰を入れて取り組みを始めた。もっとも、これまでの同社の直販PCはビジネス向けとはうたいながら、購入者には個人ユーザーが多く含まれていたことを考えると、直販PCの裾野を広げる意味合いが強いといったほうが正しいかもしれない。

 同社は2004年8月に直販サイトをリニューアルし、個人向けのページを新たに開設した。そのページを見てすぐに気づくのが、同社のコンシューマーPCのユニークさである。ビジネス向けのデスクトップPCでも、シャープやNEC三菱電機ビジュアルシステムズ、日本サムスンなどの液晶ディスプレイを組み合わせることができるセットモデルを多数用意していたが、個人向けではさらにオーダーメイドオプションを充実させ、サードパーティーとのコラボレーションで コンシューマーのニーズに対応したPCを提供している。もちろん後述するPCをはじめとして、複合機やプリンター、PDAなど同社ならではの豊富なラインナップも見どころだ。

 さて、実際の製品の実力はいかほどのものなのだろうか。ここでは、オンラインストア専用のノートブックPCであるHP Compaq nx4800/CTと、スタンダードモデルのHP Compaq Business Notebook nx9030/CTを見ていこう。


HPの直販サイト「HP Directplusオンラインストア」のトップページ。2004年8月にリニューアルし、新たに個人向けのページが新設された。

スタイリッシュな個人向けノートブックPC「HP Compaq nx4800/CT」

 HPが満を持して投入した個人向けノートブックPCの第1弾が、このHP Compaq nx4800/CTだ。前面をホワイトシルバーでまとめたスタイリッシュで質感の高いボディーが印象的だ。非常にデザイン性の高いノートブックPCに見えるが、使いやすさの点はどうかを検証したいと思う。


個人用途にターゲットを絞ったHP Compaq nx4800/CT。

 ウルトラクリアビューと呼ばれる液晶パネルは、DVDビデオやデジカメの画像をメリハリのある画面で楽しめるのがウリだ。蛍光灯などの映り込みは多少目に付くが、そのぶん発色は鮮やかで見栄えする画面表示を実現している。これまでの製品は、頑固といえるほどに光沢タイプの液晶を避けてきただけに、この一点だけを見てもコンシューマー向けPCに対する同社の強い意気込みが感じ取れる。パネルサイズは14インチ、画面解像度は1280×768ドットと最近流行のワイド液晶を採用しているのもポイントが高い。

 ノートブックPCで重要な入力環境だが、特に違和感を感じずに良好に操作できる。19.05mmピッチのフルサイズキーボードと、4WAYスクロール機能搭載のタッチパッドを備え、ボディーが前面に傾斜しているので入力しやすく、独立した音量調節ボタンや消音ボタンがあるというのも気が利く。誤動作を防止するために、タッチパッドの機能を停止できる同社伝統のオン/オフボタンをタッチパッドの真上に配置するほか、Caps Lockキーをオンにするとランプが光る心憎い配慮も見逃せない。ただ、Enterキーの右側にキーがある点と、タッチパッドがホームポジション直下(左より)ではなく、中央にある点は気になった。もっとも、右端のPgUp/PgDnキーとEnterキーの間に空きスペースがあるので、思ったほどミスタイプは発生しにくい。


HP初の光沢液晶の搭載が光る。14インチのワイド液晶パネルは視認性が良好だ。タッチパッドの真上にタッチパッドのオン/オフボタンを備える。クリックボタンにはラバーが貼られている。

 14インチワイド液晶搭載機としてはボディーは小柄で、重量も約2.36kgと持ち運んでの利用もそれほど苦にならない。右側面に用意された6in1メディアスロットをはじめとして、拡張性は充実している。6in1メディアスロットはSDメモリーカード、メモリースティック/Pro、xDピクチャーカード、MMC、スマートメディアの6種類のメディアに対応しており、現在販売されているほとんどのデジカメ(一眼レフタイプを除く)の画像をアダプターやケーブル接続なしでスマートに取り込めるのがうれしい。3基のUSB 2.0や4ピンのIEEE1394といったポートを、左右にバランスよく配置しているのも評価したい。

 冷却ファンがあまり回らず、耳障りな騒音が少ない点も特筆できる。底面で吸気する仕様なので設置場所には気を配る必要があるが、システムに高い負荷をかけ続けてもハードディスクが位置するパームレストの左側が若干の熱を持つ程度で、使い勝手は良好だ。


固定式のコンボドライブと、6種類のメモリーカードに対応したメモリーカードスロットを右側面に備える。コンパクトフラッシュに非対応なのは残念だが、ダイレクトに扱えるので便利だ。

前面にJBL製のステレオスピーカーを内蔵する。光学ドライブは固定式だ。コネクターは左右にバランスよく並ぶ。左側面にある独自端子は、現時点で接続可能なオプションが用意されていない。

バランスの取れたお買い得なノートブックPC

 評価機のスペックは人気の高い標準構成の状態だったが、HP Directplusオンラインストアで扱う製品は、基本的に顧客の要望にあわせて製品を生産する注文仕様生産:CTO(Configure To Order)に対応しており、予算に応じてスペックの変更が可能だ。本機はDothanコアのPentium M 745(1.8GHz)プロセッサーを筆頭に、OSの変更、DVDマルチドライブ、非光沢液晶や大容量バッテリーの選択、Bluetoothの追加など細かなカスタマイズが行なえる。欲をいえば、光学ドライブをウエイトセイバーに交換して軽量化を図れると便利だったが、これは次期モデルに期待したい。


2基のメモリースロットは底面から簡単にアクセスできる。容量が2倍の大容量バッテリーを装着すると重量が約330g増え、ボディーサイズも大きくなるが、駆動時間は約7時間に延びる。

 総じてバランスの取れた製品であり、個人向けに適したモデルに仕上がっている。最小構成価格で119,700円から購入可能と、ワイド液晶ノートブックPCとしては破格ともいえる低価格も魅力だろう。この冬、注目のノートブックPCとして台風の目といえる存在になりそうだ。

HP Compaq nx4800/CTのスペック(評価機の場合)

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