「VAIO type P」Vistaモデルを速攻でWindows XP化した:ソニーが“P専用XPドライバ”を配布開始(2/2 ページ)
ソニーがVista搭載VAIO type P専用のWindows XPソフトウェアを公開した。メーカーの非サポートながら、Vista環境より高速に動くようになるのがポイントだ。
BIOSのアップデートからVAIOソフトウェアの導入まで
準備が済んだら、BIOSのアップデートから始める。展開したファイルの中にBIOSアップデートのユーティリティが入っており、Vista上でEP0000182976.exeファイルを起動して、画面上の「アップデート」ボタンをクリックするだけでBIOSが更新される。BIOSの更新後はWindowsが自動的にシャットダウンする。
BIOSを更新した後は、いよいよWindows XP Professional/Home Edition(SP2/SP3)のインストールだ。USB接続の光学ドライブをVAIO type Pに装着して、Windows XPのディスクから通常通りにOSをインストールすればよい。
SP2適用済みWindows XPのディスクを使った場合、後からSP3にアップデートしないとVAIO専用ソフトウェアがインストールできないので、あらかじめSP3適用済みのWindows XPディスクを作成しておくのも手だ。詳しい手順は割愛するが、Webで検索すればSP3適用済みディスクの作成方法がすぐ見つかるだろう。
Windows XPが無事にインストールできたら、次はネットワークドライバをインストールする。外部記録メディアにある「VAIO\XP_Downgrade\VGN-P」フォルダ内のNetwork.batをダブルクリックすれば、バッヂファイルが自動実行されてネットワークドライバをインストールできる。ネットワークドライバのインストールが完了した後は、外部記録メディアを取り外しておく。
ここで、Windows XPのSP2をインストールした場合は、Windows Updateを実行してSP3をインストールする。Windows Update経由でSP3にアップデートするため、先にネットワークドライバのインストールが必要だったわけだ。
Windows XPのSP3環境になったら、再び外部記録メディアを装着し、外部記録メディアにある「VAIO\XP_Downgrade\VGN-P」フォルダ内のSetup.vbeをダブルクリックする。「OS関連およびドライバモジュールのインストールをします。」という画面が表示されるので、「OK」ボタンを押せば、各種ドライバのインストール、および再起動後に各種アプリケーションのインストールが自動で行われる。ドライバインストール時に「新しいハードウェアの検索ウィザードの開始」画面が表示される場合は、キャンセルすればよい。
これでVAIO type PのWindows XP(SP3)化は完了だ。SP3適用済みのWindows XP Home Editionディスクを使用して、所要時間は2時間程度だった。Windows XPのインストールと最後のドライバ/アプリケーションの導入に時間がかかったものの、大きなトラブルもなく順調にVistaからXPへの移行が行えた。
自己責任と機能制限を承知のうえで、XPのサクサク感を味わいたい人へ
先日掲載したレビュー記事(Z550+256GバイトSSDもテスト:待望のXP搭載「VAIO type P」を徹底検証する)でも取り上げた通り、Windows XP環境でのVAIO type Pはかなりレスポンスが改善される。
今回はあえてスペックが低いVista搭載の店頭モデル「VGN-P70H/R」でXP化を試したが、Atom Z520(1.33GHz)、1.8インチ60GバイトHDDの仕様でもOSの操作感で大きな不満を覚えることはなかった。Windows XPプリインストールモデルはメインメモリ容量が1Gバイトだが、Vistaモデルのダウングレードでは2Gバイトのメモリが使えるのもポイントだ。Windows XP Professionalを導入できることに価値を見出すユーザーもいるだろう。
Vista搭載VAIO type PのWindows XPダウングレードは、メーカーサポートが受けられず、利用できる機能やソフトウェアもかなり制限されるため、万人には決しておすすめしないが、「シンプルな機能しか使わないので、外出先でレスポンスよくモバイルマシンを使いたい」というニーズには非常に有効な手段といえる。XP化後のパフォーマンステストは機会を改めてお届けしたい。
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