デザインとバランス重視のASUS初“CULV”ノート――「U20A」を駆る:ついに日本でも販売開始(2/3 ページ)
Netbookの次に来るトレンドとして注目されている「CULVノート」(もしくはモバイル・サブノート PC)。ASUSのCULVノート第1弾はスタイリッシュなDVD内蔵モデルだ。
フルスペックノートPCに匹敵する入力環境
12.1型ワイド液晶ディスプレイは画面解像度が1280×800ドットで、この画面サイズのノートPCとしては標準的な解像度だ。1024×600ドット(あるいは1024×576ドット)表示の10型ワイド液晶が標準のNetbookに対して、ここでも大きなアドバンテージがある。
表面は光沢仕上げで明るく鮮やかな表示の一方、周囲の風景が画面に映り込むのは気になる。表示品質はごく普通といった印象で、視野角もあまり広くないが、ディスプレイの角度は150度程度まで開くので、設置状況に応じて見やすいようにチルト角度を調整できる。
動画再生時に映像品質を向上させる「Splendid Video Enhancement Technology」にも対応している。これは同社のグラフィックスカード製品でおなじみの機能で、色合いを鮮やかにしたり、暗部のダイナミックレンジを拡大したりできる。効果の度合いはいくつかのプリセットの中から選択可能で、再生ソフトを問わず使用できる。液晶ベゼルの上部には130万画素のWebカメラを内蔵している。
キーボードは、間隔を空けたキーに格子状のパネルをはめ込むことで、キートップのみがボディから露出しているように見えるデザインを採用しており、見栄えがする。低価格帯のノートPCにしては珍しく、暗所で自動的に光るバックライト付きキーボードになっている点は特筆したい。
主要キーのキーピッチは実測で約18ミリと十分な広さがあり、EnterキーやBackSpaceキーなどはより大きめに確保されている。キー配列も素直で、打ちやすい。ただ、キーボードユニットの固定は少々甘い印象で、強くタイプすると多少のたわみは感じる。
キーボードの左奥には「Express Gate」を起動するボタンが用意されている。Express GateはLinuxベースのインスタント機能で、Windowsを起動することなく、Linuxベースのメニューを即座に立ち上げて、WebブラウズやSkypeなどが楽しめる。
パームレストは2ボタン式だ。左右のクリックボタンが一体成形になっているが、特に押しにくい印象はない。マルチタッチジェスチャーに対応したELANの多機能ドライバが導入されており、2本指でなぞることでの縦横スクロール、3本指でのページスワイプ(進む/戻る)、2本指の開閉によるズームなどに対応しており、快適な操作が可能だ。
パッド部は指が触れたラインが光るイルミネーションパッドとなっており、この機能は付属のユーティリティソフトでオフにすることもできる。そのほか、USB接続のスクロールホイール付き光学式マウスが標準で付属する。
Netbookよりワンランク上の性能を実証
OSはWindows Vista Home Premium(SP1)をプリインストールする。Windows Vista標準のエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りで、CPUが3.5、グラフィックスが3.8、ゲーム用グラフィックスが3.6と多少弱いことが分かる。
定番ベンチマークテストの結果は下に掲載した。PCMark05のCPUスコアは2410だ。グラフでは参考までに同社製Netbook「Eee PC 1008HA」のスコアも併記したが、Atom N280(1.66GHz)搭載の1008HAに比べると、1.5~1.6倍のスコアだ。チップセット内蔵グラフィックスだけにGraphicsスコアは1176と低いが、それでもAtom N280+Intel 945GSE Expressの組み合わせに比べると2倍以上のスコアではある。
ただ、3Dグラフィックスの性能に関しては、過度な期待は禁物だ。3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアを見ると、Atom搭載のNetbookよりは明らかに優位ではあるが、3Dゲームを楽しめるほどのスコアではない。
日常操作のレスポンスは、OSがWindows Vistaでも特に悪くは感じない。CPUがシングルコアのためか、ときどきちょっとしたひっかかりのようなものを感じる場面はあったが、Vistaモデルで極端に処理の遅さを感じるNetbookとは、やはり違う。
バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」で行っている。オリジナルの電源プランがいくつか用意されているが、評価機ではテストに適当なプランがなかった。「PowerSaving」を選ぶとプロセッサの最大クロックが60%に下げられてしまうため、これを100%に修正した状態でテストしている。液晶ディスプレイの輝度は40%に設定した。結果は365分(6時間5分)と、公称の約8.3時間にはおよばないものの、負荷を考えれば実に優秀な結果といえる。
騒音や発熱の処理も優秀な部類だ。騒音は室温28.5度、暗騒音32デシベルの環境で本体前面から5センチと近距離で測定したところ、アイドル時が35~36デシベル、負荷時でも最大38~39デシベルとかなり静粛なレベル。頻繁にファンの回転速度が変化して煩わしいということもない。室温28.5度の環境で測定した一連のベンチマークテスト終了後の温度は底面左が最も熱く43度まで上昇するが、パームレストの発熱は左36度、右35度と抑えられているため、机上で使用するぶんには特に不快感はなかった。
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