これは便利! 「Snow Leopard」を実際に使って感じた新機能“トップ20”:Snow Leopardのここに注目(4/4 ページ)
ついにSnow Leopardの発売された。深夜販売で購入した人はさっそくインストールを始めた人もいるころだろうか。ここでは筆者が1週間Snow Leoaprdで作業し、日常的に使う中で気に入った新OSの変更点をランキング形式で紹介していこう。
16位――インストーラー
おそらくほとんどの人にとって、最初に1度だけであとは使うことがなさそうなOSのインストーラーも改善されている。これまでのMac OS Xのインストール手順は、まずDVDを挿入し、インストーラーのアイコンが表示されるので、それを開く。すると、すぐにマシンの再起動を促すボタンが表示されるのでそれをクリック。そしてDVDに入ったOSからMacが再起動する(これが少し時間がかかる)。そこからインストール先のディスクを選んだり、規約に合意したりして、初めてインストール作業が開始する、という流れだった。
Snow Leopardは違う。なんと、DVDを入れてインストーラーを起動したら、すぐにその場でインストール先のディスクなどを選んでしまう。そしてMacを再起動する前に、新OSの関連ファイルなどのコピーが始まる。これはアップルのエンジニアがインストールプロセスを大幅に見直した成果だろう。
このおかげで、ユーザーが面倒なインストール作業に拘束される時間が大幅に短くなっただけでなく、インストールプロセスそのものが45%ほど速くなっている。おまけに、ご存じの通り、OSがインテルMac専用になりPowerPC用コードが不要になったことや、OS構成プログラムの洗練が計られたことで約6Gバイトの領域が空く。その分余計に音楽を入れたり、Parallelsなどの仮想マシン環境用にWindows XPをインストールして、いざという時に備えることもできる。
17位――フォルダアクションからAutomatorを駆動
米国のMacを本格採用している出版社などでは愛用されているが、日本ではそれほど活用されていない機能に「フォルダアクション」がある。フォルダに何か変化が起きると自動的に指定しておいた処理を実行するという機能で、これまでAppleScriptというスクリプト環境用の機能として用意されていた。また、こちらも日本ではそれほど使われていないようだが、プログラミングの知識がない人でも、アイコンを組み合わせていくだけで、簡単に自動操作をプログラミングできる「Automator」という優れた機能がある。
Snow Leopardでは、なんと、このAutomatorで「フォルダアクション」のプログラミングができるようになった。例えば共有フォルダに新規項目を追加すると、自動的に同僚に新規メールでその旨を伝えるといったアクションが数ステップで作れるのだ。
18位――スクリプトエディタ
先ほど触れたもう1つの機能「AppleScript」も進化した。Snow Leopardでは、AppleScriptを編集する「スクリプトエディタ」が改善され、スクリプト実行中の様子などが確認しやすくなっている。これまでのスクリプトエディタにもあった機能だが、表示方法が改善され、視認性が向上した。
19位――大きく見やすくなった「キーボードビューアー」
PCのフォントには特殊記号が豊富に用意されているにも関わらず、日々の利用ではほとんど活用されず、代わりに(C)やTMといった表記が使われてしまう。Snow Leopardで、そろそろそのあたりも改善しようと提案しているようだ。
「システム環境設定」の「言語とテキスト」には、「記号とテキストの置換」という機能が加わり、例えば「TM」と入れれば自動的に特殊記号に切り替わる仕組みを用意した。
同様の機能はこれまでOfficeなどのアプリケーションで用意されていたが、アップルはこれをOSレベルで採用した。この手の機能は、意図しない変換が起きることもあり、賛否両論があるところだが、アップルはとりあえず、よく行われる変換を日本語用では16パターンだけ用意し、インストール直後の設定では、そのうち6個だけを有効にしている。おそらく今後はユーザーの声を聞きながら調整していくのではないだろうか。
なお、アップルはこれに加えて、「入力」メニューから表示する「キーボードビューア」も改善した。これを使えば、特殊記号がどのキーコンビネーションを押せばいいのか簡単に確認できる。筆者はMacでたまにフランス語やペルシャ語などを入力することもあるが、これら英語以外の言語の文字を入力する際にも重宝する。
これらはもともとこれまでのOSにもあった機能だが、ほとんどの人は表示させたことがないだろう。OSをアップグレードする前にLeopardのキーボードビューアーを試してみて、Snow Leopardとの違いを確認してみてほしい。
20位――トラックパッド手書き認識
実際に使う機会はほとんどないが、Macを持っていない友達にぜひデモして見せたいのが、中国語のトラックパッド手書き認識機能で、すでに筆者は入力メニューに登録している。
これまでにも手書き文字認識系のソフトは多数あった。ジャストシステムのATOKなども日本語に対応した手書き文字認識を備えているが、それはお絵描き操作のようにマウスボタンを押しながら文字を描いていた。
それに対して「トラックパッド手書き認識」は、トラックパッドに人差し指で直接文字を書いてしまう、という入力方法が新しい。手書きすると候補が表示され、その候補の選択もトラックパッドの右側をタップして選べる。実際に試してみるとなかなか難しく、画面を見ずにトラックパッドだけ見て入力したほうがうまく書けるが、最近、大型化がいちじるしいMacBookシリーズのトラックパッドを有効活用する手段としてはおもしろい。ただし、これはあくまでも中国語入力なので「かな」は入力できない点に注意しよう。
ちなみに、言語マニアの筆者ならではかもしれないが、Snow Leopardは非常に対応言語が多いグローバルなOSだ。そのため例えばペルシャ語のような、ややマイナーな言語のスクリプトを有効にしようとすると、探すのが大変なことがある。そんな時、目当てのスクリプトを検索して見つけ出せる機能がついたのも、ちょっとうれしい仕様変更だ。
21位――右から左に書く言語が快適に
このよさを共有してくれる読者は少ないかもしれないが個人的に注目したい新機能の1つだ。Snow Leopardではアラビア語やペルシャ語、ヘブライ語など、右から左に向けて字が並ぶ言語と、日本語や欧文のような左から右に書く言語との混在がしやすくなっている。
具体的に挙げると、これまでこうした言語を混在させると非常にやっかいだったのが文字の選択で、特に右から左の言語ではなかなか目当ての文字を選択できないことがしばしばだったのだが、Snow Leopardではカーソルを重ねて左方向にドラッグすれば、思った通りの文字選択ができるようになった。
またキーボードから操作する人も、カーソル表示位置からshiftキーを押しながら左右の矢印キーを押すことで、狙った文字を選択できるようになっている。アラビア語、ペルシャ語、ウルドゥ、ヘブライ語などと日本語を混在させたい人には、Macをオススメするといいかもしれない。
ここまで取り上げたMac OS X v10.6“Snow Leopard”の新機能は、900以上ある変更点のほんの一部だ。筆者がほかの仕事の合間に1週間ほど使ってみて発見できた、氷山の一角に過ぎない。Snow Leopardを入手したユーザーは、ぜひあなただけのお気に入り機能を見つけて、ブログやTwitterなどを使って情報発信をしてほしい。
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