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“7時代”の新チップセットが光った8月のアキバ5分で分かった気になる、8月のアキバ事情(2/2 ページ)

秋葉原ではAMD 785Gマザーの登場とP55マザーの展示が話題を集め、Windows 7へ向けた新マシン構築の需要が漂い始めている。低価格なBDドライブやハイエンドケースの新製品も脚光を浴びた。

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BD-ROMドライブが7980円!――どんどん安くなっているBDドライブ

TSUKUMO eX.に並ぶBDドライブ。2万円切りのBD-Rドライブもめずらしくない状況だ

 HDDやSSDの低価格化の影で、BDドライブも順調に値を下げている。8月の時点で「書き込み品質の高い高級モデルで3万円、ソフトウェア付きで普通に書き込み用として使える一般的なBD-R 8倍速書き込み対応モデルで2万円という状況です。読み込みだけなら1万円前後ですね」(TSUKUMO eX.)と言われていた。DVDスーパーマルチドライブを書き込み用のメインに使いながら、CD/DVDを含めてリードオンリーのBD-ROMドライブをサブに搭載するユーザーも多いそうだ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「もともと5インチベイを余らせている人は多いので、1万円でBDタイトルが観られるようになるならと購入する人は増えていますね」と語る。

 書き込みタイプでは、アイ・オー・データ機器「BRD-SH08LEB」やバッファロー「BR-H816FBS」などが1万7000円前後の価格で安定した人気があると語るショップが多かった。その一方で、高品質志向のユーザーに定番となっているのは約3万円のパイオニア「BDR-S03J」という。クレバリー1号店は「安いBDドライブといえば海外メーカー製品が多かったですが、ここ最近は国内メーカー製との価格差が少なくなっています。数千円の違いなら、サポートの安心感が強いほうを選ぶという人も多いです」と話していた。

 読み込み専用タイプでは、さらに安い1万円以下の価格帯で売れ筋モデルが勝負している。8月末にドスパラ秋葉原本店に入荷したLITEON「iHOS104-06」が象徴的だ。バルク品ながらプレーヤーソフト付きで7980円という低価格で販売され、ヒットを記録しているという。同店は「今は1万円以下でも訴求力はありません。BD-ROMがヒットする価格の境界は8000円といったところでしょう。7980円なら多くの人が安いと思ってくれるので売り上げにつながります。これが8480円だったら、それほど動かなかったでしょう。この8000円というラインは、DVDドライブがブレイクしたころと同じ価格帯だと思います」とヒットの理由を分析していた。

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アイ・オー・データ機器「BRD-SH08LEB」(写真=左)。バッファロー「BR-H816FBS」(写真=中央)。バルク品のLITEON「iHOS104-06」(写真=右)

新COSMOSや99台限定モデルなど、こだわりのPCケースが続々登場!

マスタードシード「JX-FX300B」

 夏場は冷却パーツとともにPCケースの新製品も多い。この8月も注目度の高いPCケースが多数登場した。

 8月初旬に話題を集めたのは、フロントに2台の3.5インチリムーバブルベイを備えたマスタードシードのmini-ITXケース「JX-FX300B」だ。2台ともホットスワップに対応しており、通常サイズの5インチベイと固定式の3.5インチベイもそれぞれ1基備えている。サイズは200(幅)×317(奥行き)×205(高さ)ミリで、価格は1万3000円弱だ。クレバリー1号店は「固定のHDDにOSを入れれば、残り2台をテレビ番組録画用に使うこともできます。IONマザーなどと組み合わせてリビングマシンを組むなら便利なケースですね」と語る。

 高級モデルで光っていたのはタワー型ケース。JX-FX300Bと同時期に、クーラーマスターの「COSMOS PURE」が4万円弱で登場した。約2年前に発売された「COSMOS」の限定版で、内部まですべてブラックに塗装しているのが特徴だ。入荷したドスパラ秋葉原本店は「両方のサイドパネルに吸音材が張られているので静音性はばっちりです。底面にも吸気口を設けるなど、冷却性能も申し分ないので、熱くなるハイエンド系のグラフィックスカードを複数枚挿しても、静かに安定して使えるでしょう」と太鼓判を押す。

 お盆明けにヒットしたのは、マザーボードの背面パネルを上面に固定する変わり種の「RAVEN RV02」だ。底部に吸気ファンを設け、下から上の風を作ることで、CPUやグラフィックスカード、電源ユニットといった上部にある熱源の排熱を効率的に行う。価格は2万円弱で、同クラスのケースとしては低価格な設定となっている。T-ZONE.PC DIY SHOPでも好調に売れており「ケース上面には、ケーブルをはわせて背面に持って行くガイドがしっかりついています。それらを付属のカバーで覆えば見栄えも良く、冷却性も損ないません。変わり種ですが、実用性の高いケースですね」と評価されていた。

 最後は8月末に計198台限定で生産されたabeeの「AS Enclosure 450ST ABEE 5TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」だ。すでに販売している4万円前後の高級ケース「AS Enclosure 450ST」に、オプションとして用意されたサイドの透明窓やファンなどを加え、フロント側にも通気口を設けた特別仕様となっており、4万9980円で各ショップに並んでいる。ツートップ秋葉原本店は「高価なケースですが、AS Enclosure 450STにあとからオプションを付けるよりは安くなります。価格度外視で安心感を求めるならアリですね。まあ、自作PCは高級仕様にしても自動車やバイクのカスタムよりずっと安上がりですから、これくらいのぜいたくをしてもいいのかも」と勧めていた。

クーラーマスター「COSMOS PURE」(写真=左)。シルバーストーン「RAVEN RV02」(写真=中央)。左がabee「AS Enclosure 450ST ABEE 5TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION」。右は通常版の「AS Enclosure 450ST」(写真=右)
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