ベンチマークテストで振り返る2010年のCPU:イマドキのイタモノ(1/3 ページ)
2010年の“イマイタ”レビューに登場したのは、CPU8モデル。その性能と仕様の進化と傾向をベンチマークテストのグラフで振り返る。
“32ナノ”で始まった2010年のイマイタ
イマイタレビューに登場した2010年最初のCPUは、年明け早々にインテルから発表された“Westmere”世代のデスクトップPC向けモデル「Core i5-661」だ。開発コード名で“Clarkdale”と呼ばれたこれらのモデルでは、その前の世代になる“Lynnfield”と同様にグラフィックスコアとCPUコアを同じパッケージに統合し、CPUコアで32ナノプロセスルールを採用した。プロセスルールの微細化以外に、メモリコントローラをCPUコアからグラフィックスコアに移設し、Turbo Boost Technologyでは、クロックアップのビン数が変更されるなど、細かい改良が施されている。
ベンチマークテストによる性能検証でも、プロセスルールの微細化と細かい改良がどの程度パフォーマンスに影響するかに注目したが、同じミドルレンジラインアップのCore i5-750との比較で。Core i5-661はSandra 2010で苦戦を強いられたものの、SYSmark2007とPCMark系のベンチマークテストでは、逆転する傾向が確認されている。クアッドコアであるCore i5-750とデュアルコアながらHyper-Threading Technologyで4スレッド同時処理が可能なCore i5-661の特性が出たといえる。また、グラフィックス性能では3DMark Vantageの測定結果でAMD 790GXだけでなく、GeForce 210をも上回る値を出したものの、ストリートファイター IVベンチマークテストの結果において解像度640×480ドットの条件でも実用的なフレームレートには達しなかった。
動いてしまった第4のコア
続いてイマイタレビューで取り上げたCPUは、AMDのトリプルコアCPU「Phenom II X2 555 Black Edition」だ。ミドルレンジラインアップのクロックアップ版という、通常なら地味な扱いとなるモデルだが、「コアが復活できる」という“うわさ”とともに一部のパワーユーザーから注目されることになった。
“イマイタ”レビューでもそのあたりの挙動を“遠慮がちに”検証してみたが、BIOSで「Advanced Clock Caribration」(ACC)設定を「Auto」「All-Cores」に、「Unlock CPU Core」を「Enabled」にそれぞれ設定したところ、CPU-Zで4コアが認識されて“しまった”。
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