Windows 8ではiPhone 4級の高画素密度を想定せよ:BUILD(2/2 ページ)
これまで以上に多様なサイズと解像度のディスプレイをサポートするWindows 8。Metroスタイルのアプリは、どのような“未来”の表示環境を想定しているのか? 本田雅一氏が迫る。
Windows 8の必須機能となるスナップビュー
さらにMetroにはスナップビューと呼ばれる、縦に細長いコンパクトな表示領域のレイアウトデザインも必要だ(スナップビューは必須機能とのこと)。これは写真のように16:9画面にミニマムレイアウトを並べたときの、余り領域に表示するビュー形式のこと。
16:10のディスプレイに、わざわざ16:9で表示するのはこのためで、ミニマム、ワイド、スナップビューの組み合わせに整合性を持たせるためだ。このため、Windows 8のデモビデオではスナップビューの境目がどこにでも任意に置けるように見えるかもしれないが、実は右か左か、2カ所しかアプリケーション表示の境目は作ることができない。
また、手元の機材では確認できていないが、どうやら4:3画面ではスナップビューを使うことができないようだ。とはいえ、シンプルな手法で多様なディスプレイに対応していると思う。不満の声もあるかもしれないが、発売までにはまだ改良が加えられるはずだ。
マルチディスプレイの扱いはどうなるのか?
フルスクリーン表示でアプリケーションを使うスタイルはアップルも最新版のMac OS X Lionでサポートしているが、その実装はいまひとつ納得できるものではなかった。マルチディスプレイ環境でフルスクリーン表示にすると、サブディスプレイの表示が消えてしまうのだ。
例えば、フルスクリーンアプリケーションを使いながら、サブディスプレイに表示させてあった資料を読もうと思っても、フルスクリーンアプリケーションに切り替えた時点で、肝心の資料が見えなくなる。いずれ改良が施されると思うが、このあたりの矛盾をどう解決するのかは興味深く見ていた。
Microsoftはこの点について、フルスクリーン表示の場合、サブディスプレイに“デスクトップ画面”を表示する機能を追加することで解決しようとしている。どこにスタートスクリーンを表示できるかはコントロールパネルから指定可能とし、スタートスクリーンとMetroスタイルアプリケーションは、すべてそこに表示する。
1台だけタッチパネル付きディスプレイを持っているが、できればマルチディスプレイ環境で使いたい、なんてこともできる。机型のタッチパネルディスプレイに通常のディスプレイを組み合わせるのも面白そうだ……。と、少々、妄想が激しくなってきたので話を戻そう。
Windows 8はフルスクリーンで動くMetroスタイルの世界と、従来のデスクトップ型のGUIが完全に分かれているため、これを画面ごとに別々に分けてしまうという選択が行えるわけだ。もちろん、設定を変えればMac OS X Lionの場合と同じような振る舞いにすることもできる。
このようなわけで、マルチディスプレイに関する懸念は杞憂(きゆう)に終わったが、マルチディスプレイには話の続きがある。デスクトップモードをマルチディスプレイで使う場合、新たに両方の画面にタスクバーを表示できるようになった。
そして、アプリケーションが動いているウィンドウ側に、そのアプリケーションのアイコンが表示されるようになる。ウィンドウをドラッグして別のウィンドウに動かすと、タスクバーの表示も同時に移動した。これはなかなか便利。現在、多数のディスプレイをつないでいる読者には、なかなかの朗報ではないだろうか。
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