意外といけそう?──6コアと4コアな“Zambezi”を試す:イマドキのイタモノ(1/3 ページ)
AMD FXシリーズ最上位の“8コア”なFX-8150を検証したが、最上位モデルに先んじて出荷された6コアと4コアのモデル。その性能はわれらの期待に応えるものなのか。
なぜか出荷は6コアと4コアのモデルから
「FX-6100」と「FX-4100」は、AMD FXシリーズの第1弾として発表されたモデルで、日本のPCパーツショップでも10月23日より発売された。最上位モデルの「FX-8150」や同じ8コアの「FX-8120」の発売が10月下旬以降未定とのことで、販売開始がミドル~バリュークラスが先になったことになる。ただ、6コア、4コアとコア数を減らしたことにより、TDPが95ワットに収まっている。また、FX-8150 のような水冷ユニットが標準で付属する構成でないので、価格的にも入手しやすいだろう。
動作クロックはFX-6100が3.3GHz、FX-4100が3.6GHzと比較的高い。さらに、MAX Turbo有効時で動作クロックは最大でFX-6100が3.9GHzに、FX-4100が3.8GHzに設定されている。ともに4GHzには達しない。なお、定格の動作ロック、Turbo Core、MAX Turboのそれぞれで上がる動作クロックは、FX-6100が300MHz刻みでFX-8150と同様だが、FX-4100は100MHz刻みになる。
型番 | FX-6100 | FX-4100 | FX-8150 | Phenom II X6 1100T | A8-3850 |
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コードネーム | Zambezi | Zambezi | Zambezi | Thuban | Llano |
リビジョン | N/A | N/A | N/A | E0 | N/A |
コア数 | 6 | 4 | 8 | 6 | 4 |
スレッド数 | 6 | 4 | 8 | 6 | 4 |
動作周波数 | 3.3GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.3GHz | 2.9GHz |
ターボ時最大クロック | 3.9GHz | 3.8GHz | 4.2GHz | 3.7GHz | - |
ベースクロック | 200MHz | 200MHz | 200MHz | 200MHz | 200MHz |
1次キャッシュメモリ | 16KB×6+64KB×3 | 16x4+64x2 | 16KB×8+64KB×4 | (64KB+64KB)×6 | (64KB+64KB)×4 |
2次キャッシュメモリ | 2048KB×3 | 2048KB×2 | 2048KB×4 | 512KB×6 | 1024KB×4 |
3次キャッシュメモリ | 8MB | 8MB | 8MB | 6MB | - |
製造プロセス | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル | 45ナノメートル | 32ナノメートル |
TDP | 95ワット | 95ワット | 125ワット | 125ワット | 100ワット |
DDR3メモリ | 1866MHz | 1866MHz | 1866MHz | 1333MHz | 1866MHz |
メモリチャネル数 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
ソケット | AM3+ | AM3+ | AM3+ | AM3 | FM1 |
そのほかの仕様は、1次キャッシュメモリ、2次キャッシュメモリに関してはコア数に比例し、FX-4100で8コアのFX-8150に対し半分となる。一方、3次キャッシュメモリはコアの数に関係なく8Mバイトだ。また、システムメモリのサポートはDDR3-1866まで。Fusion APUのAシリーズではバリューモデルでハイエンドモデルのDDR3-1866からDDR3-1600に引き下げられていたが、FXシリーズではバリューモデルもハイエンドモデルと変わらない。注意しておきたいのはCPUに統合されたNorthBridgeの動作クロックで、FX-8150は2.2GHzだが、FX-6100とFX-4100は2.0GHzになる。
AMD FXシリーズは、全モデルでCPU動作クロックの倍率設定をUnlockedとしている。FX-6100とFX-4100も同様にUnlockedだ。その意味で、動作コア数が少ないモデルが“動作クロックの絶対値”的なオーバークロック記録を出すのに適しているのではないか、という見方もある。
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