こんなに手軽――QNAP「TurboNAS」を新モデルにリプレースする:フフフ、こうも簡単に入れ替えられるとはな(3/3 ページ)
オフィスでファイルサーバを導入しているところは多い。だが、HDD込みのシステムとして購入すると、償却前に容量が足りなくなったとき、コストや保守の面から対応が困難になりやすい。また、ユーザーやファイル数が増えてくればファイルサーバ自身のパフォーマンスが問題になることもある。今回は実際にTurboNASのリプレースを行う場合の手順について紹介しよう。
- Storage Plug & Play(3.6.0から)
今までQNAP Finderは、TurboNASの初期設定を行うときのみに利用されるケースが多かったが、ファームウェア3.6.0からはTurboNASを簡単にPCに接続する「Storage Plug & Play」機能がサポートされた。
Storage Plug & Playでは、ネットワークドライブと仮想ディスクの2つの方法でPCにディスクを追加することができる。ネットワークドライブはいわゆる「Windowsファイル共有」であり、同様の設定はWindowsファイルエクスプローラからも可能だ。仮想ディスクはiSCSIのことで、今まではTurboNASの管理画面からiSCSIターゲットを作成後、PC側から接続、フォーマットしなければならなかった。Storage Plug & Play機能を使えばQNAP FinderからiSCSIディスクの作成からフォーマット、接続まで行うことができる。
iSCSIは複数ユーザーから共有ができない、という制限はあるものの、パフォーマンスが高く、OSからはローカルディスクとして認識されるなど、メリットが大きい。しかし、iSCSIはそもそもファイバーチャネルの対抗馬として利用されるようなものであり、個人にはややハードルの高い機能でもある。それだけに、このようにiSCSIが簡単に利用できるようになることは個人ユーザーにとって非常にうれしいことだ。
- Web File Managerの機能拡張(3.6.0)
TurboNASは、CIFS、AFP、NFS、FTPなどさまざまなファイル共有プロトコルをサポートしているが、インターネット経由ではクライアント側の環境によって制約を受ける。そのような場合でもたいていWebへのアクセスは許可されており、HTTP/HTTPSを使ったファイル共有プロトコル「WebDAV」が利用できた。しかし、Windows 7ではWebDAVの扱いが厳格化しており、通常の方法では正規のサーバ証明書を用いたHTTPSしか使えなくなっている。現時点で最も環境を選ばないTurboNASのインターネット経由でのファイル共有方法はWeb File Managerということになるだろう。
3.6.0からは期限付きでパスワードで保護した特定のファイルのみを共有することができるようになった。容量の大きなファイルを取引先などとさっと共有したいときに重宝するだろう。
そのほかにもさまざまな機能拡張、性能改善がなされている。
多機能化と遍在化に向かうTurboNAS
TurboNASのソフトウェア面での進化の方向は2系統でとらえることができる。
1つは多機能化。常時通電で運用することの多いTurboNASに機能を集約することで、24時間/365日のサービスを拡充させることができる。VPN、RADIUSサーバ、サーベイランスステーション、Webサーバ、ダウンロードステーション、LDAPサーバ、そのほかQPKGで提供されるAsterisk、XMailなどだ。
もう1つは遍在化。マルチメディアステーション、Photo Station、Music Station、QMobileなど、メディアサーバとして外出先から利用できる機能、Web File Manager、MyCloudNAS、VPN機能などファイルサーバとして利用できる機能、Amazon S3、Elephant Drive、Symformなどクラウドストレージと連携し、データそのものをクラウド上にバックアップする機能などがある。
本来、ファームウェアは「困っていなければバージョンアップする必要はない」というようにバグフィックスなどが中心となるものだが、TurboNASの場合は魅力的な機能追加が多く、毎回バージョンアップしているというユーザーも多いだろう。単なるNASキットにとどまらず、ホームサーバ、メディアセンターとしての新たな可能性を果敢に攻め続けるTurboNASには「最強にして挑戦者」といった言葉がふさわしい。
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