「VAIO Sシリーズ15」を自己責任でパワーアップしてみた:メモリ増設+SSD化で再レビュー(3/5 ページ)
コンサバな仕様のVAIO店頭モデルだが、意外に内部パーツを拡張しやすい構造のモデルも少なくない。今回は「VAIO Sシリーズ15」のメモリを増設し、HDDをSSDに換装した場合にどれくらい性能がアップするのかを確かめた。
SSD換装/データ移行で誤算
注意
製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するわけではありません。
それでは実際の増設、換装作業に入ろう。メモリの増設については、メモリモジュールを底面のメモリスロットに差し込むだけでいい。メモリモジュールを持つ際は静電気に注意しつつ、基板の側面を持つように心がける。とりあえず、最初はPC3L-10600の4Gバイトを増設し、合計8Gバイトのデュアルチャンネル構成とした。
SSDも換装作業自体はとても簡単だ。固定しているネジを4本外せば、マウント用金具ごとHDDが外れて取り出せる。マウント金具をSSDに付け替え、再度装着すればよい。換装作業では、Serial ATAコネクタがフレキシブルケーブルで延長されているので、これを傷つけないように配慮する。
ただし、SSDの場合は換装前にデータの移行が必要である。ここで1つ誤算が生じた。IntelのSSDは、データ移行ツール「Intel Data Migration Software」を無料で使える特典がある。SSDをUSB経由でVAIO本体に接続し、このツールでサクッっと環境を移行できると思っていたのだが、このVAIO Sシリーズ15ではダメだった。起動ディスク(HDD)がGPTで領域確保されており、コピー自体ができないのだ。
他の同様のツールも試したが全滅。GPTをコピーできるツールもあるのだが、コピー自体はできてもなぜか換装後の起動に失敗してしまい、原因が分からなかった。
仕方がないので、今回はリカバリディスクを作って、換装後にリカバリディスクから復元する方法をとった。リカバリディスクはVAIO独自のユーティリティソフト「VAIO Care」から作成する。
USBメモリにも作成できるので、今回はUSB 3.0対応のUSBメモリに作成した。ただし、そのままだとUSBメモリからの起動はできないので、UEFIセットアップで外部デバイスからの起動を有効にし、外部デバイスの優先順位を内蔵ディスクより上に変更しておく必要がある。
これで万全……と思ったが、USB 3.0ポートにUSBメモリを差すと、うまくブートができないようで、仕方がなくUSB 2.0ポートに差すと無事にリカバリ作業を進められた。
USB 3.0ならばサクサクとリカバリができると思ったのだが、プリインストールソフトもすべて出荷状態と同等にインストールされるため、USB 2.0経由のリカバリはかなりの時間を要した。
もっとも、自作PC用マザーボードなどでも、このようにUSB 3.0ポートが完全にUSB 2.0と同じようには動作しない事例はいくつもあるので、現在のところは仕方がないだろう。作成したリカバリ用USBメモリを確認してみると、容量が20.5Gバイトも使われていた。DVD-Rならば何枚も作成して、いちいち入れ替えが必要なはずで、それがないだけでもマシだったようだ。
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