カードサイズに小型化+USBバッテリー機能付き──WiMAXルータ新モデル「AtermWM3800R」登場:1年ぶりの新機種、70%に小型化
NEC製のWiMAXルータに1年ぶりの新モデルが登場。多機能+長時間・省電力動作の特長を引き継ぎつつ、前モデル比70%の小型軽量化を果たした。新たにUSBバッテリー機能やスマホと連携した便利機能なども用意する。
前モデル比70%の小型軽量化、80グラムで8時間動作+250時間待機
NECアクセステクニカは1月30日、WiMAX通信対応モバイルWi-Fiルータの新モデル「AtermWM3800R」を発表。2013年2月7日に発売する。価格はオープン、本体単体/PA-WM3800R(AT)の発売時想定価格は1万8000円前後(税込み、以下同)。UQ WiMAX/UQ Flat年間パスポート同時契約時で4800円。
AtermWM3800Rは、既存の人気モデルAtermWM3600R(2012年2月発売)の後継モデルに位置付ける。前モデル比で約70%の小型化を実現し、待機時間の延長(約250時間)、休止状態からの6秒クイック起動、休止状態からのリモート起動機能、USBバッテリー(USB給電)機能などの機能を拡充した。
主な変更ポイントは以下の通り。
- デザイン刷新、前モデル体積比70%の小型軽量ボディに
- 休止状態での待機時間、最大250時間に延長(前モデル比プラス80時間)
- 休止状態からの復帰時間を約6秒に短縮
- 情報表示ディスプレイに有機ELを採用
- スマートフォン給電(USBバッテリー)機能を搭載
- 業界初 休止状態からスマホ操作でリモート起動が可能に
- 公衆無線LAN自動切り替え機能対象サービスを拡充
- WiMAXエリア外/回線切断時のWi-Fi連動停止機能を追加
本体サイズは89.6(幅)×52(奥行き)×12.8(厚さ)ミリ、重量は約80グラム。WM3600Rと比べ、幅が約5.4ミリ、奥行きで約18ミリ小さくなり、重量も約30グラム軽量となった。
カラーバリエーションはピンク、ブラック、ホワイトの3色。前モデルのシルバーはホワイトに変更、同じくピンクはやや赤みの強い調色に変更されている。有線LAN端子付きの卓上重電クレードルも従来どおりオプションで用意する(PA-WM08C/カラーはブラックのみ)。情報表示ディスプレイはこれまでのLED表示から有機ELディスプレイに変わり、視認性と情報表示量を大きく高めた。ディスプレイにてWiMAX電界強度、バッテリー残量、簡単無線LAN設定モード、ファームウェア更新通知などを文字列およびアイコンで容易に確認できる。
WiMAXは、従来通り下り最大40Mbps/上り最大15.4Mbps(UL 64QAM)で通信でき、最終出力を上げ微弱電界でつながりやすくするWiMAXハイパワーにも対応。加えて、WiMAX回線と街の公衆無線LANサービスをエリアに応じて自動で切り替えられ、かつ公衆無線LANサービスも複数台で共有できる「公衆無線LAN自動切り替え機能」も実装する。BBモバイルポイント、UQ Wi-Fi、Wi2、HOTSPOTのほか、新たに動作確認済みサービスとしてワイヤレスゲート、ケーブルTV Wi-Fiを拡充した。自身の公衆無線LANサービス用IDやパスワードを機器に登録することで、WiMAXと無線LANそれぞれをシームレスに切り替えて利用可能だ。
バッテリー動作時間は連続通信時で約8時間、連続待機時で約250時間、連続待受時で約20時間となる。小型軽量化にともなうバッテリーの小容量化(3.7ボルト/2000mAh)により、連続通信時間と連続待機時間のカタログ値はWM3600Rより若干短くなったが、待機時省電力化の推進により休止時待機時間はプラス80時間の長時間化を実現した。未利用時の自動休止移行機能(任意に時間設定が可能)、休止時より6秒のクイック起動、スマートデバイス操作でのリモート起動(休止復帰)といった新機能により、実利用時においてかしこく長時間動作できるよう工夫を取り入れている。
スマートフォンアプリ「Aterm WiMAX Tool」(iOS/Android)もバージョンアップ版を無償提供する。バッテリー残量チェックや機器のスタンバイ移行/再起動などを手元のスマートフォンで操作できる。このほか、モバイルルータ初(同社)とする「休止状態からの復帰」の指示もスマートフォンアプリ(ひとまずAndroid版のみ)より行えるようになった。従来、休止状態からの復帰は機器のボタン操作が必要だったが、Bluetooth通信による制御で休止復帰をリモート操作する仕組みを取り入れることで実現したという。
AtermWM3800R | (参考) AtermWM3600R |
(参考) AtermWM3500R |
(参考) AtermWM3450RN |
|
---|---|---|---|---|
タイプ | ポータブル | 据え置き | ||
WiMAX通信速度 | 下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbps | |||
WiMAXハイパワー | ○ | ○ | ─ | ○ |
UL 64QAM | ○ | ○ | ○ | ○ |
無線LAN | 2.4GHz帯IEEE802.11b/g、11nテクノロジー(最大150Mbps) | |||
有線LAN | ─(クレードル利用時 100BASE-TX×1) | 100BASE-TX×2 | ||
クレードルのAPモード切り替え | ○ | ○ | ─ | ─ |
公衆無線LAN切り替え | ○(対応サービス拡充) | ○ | ─ | ─ |
簡単接続設定 | らくらく無線スタート、らくらくQRスタート、WPS | らくらく無線スタート、WPS | らくらく無線スタート、らくらくQRスタート、WPS | |
バッテリー動作時間(連続通信) | 約8時間 | 10時間 | 8時間 | ─ |
バッテリー動作時間(休止状態での待機) | 約250時間 | 約170時間 | ─ | ─ |
バッテリー動作時間(連続待受) | 約20時間 | 約25時間 | ─ | ─ |
電源 | リチウムイオンバッテリー(3.7ボルト/2000mAh) | リチウムイオンバッテリー(3.7ボルト/2500mAh) | リチウムイオンバッテリー | ACアダプタ(100ボルトAC) |
WiMAX切断時のWi-Fi自動停止機能(省電力化) | ○(初期設定はオフ) | ─ | ||
USBモデム機能 | ○(Ethernet over USB/Windows XP以降、Mac OS X 10.5以降) | ─ | ||
充電方式 | Micro USB ACアダプタ、USBポート充電(パナソニックUSBモバイル電源シリーズ対応) | ─ | ||
USB給電機能 | ○(5ボルト/500mA出力) | ─ | ||
スマートフォンアプリ | ○ | ○ | △ | ─ |
スマホアプリでのリモート起動 | ○ | ─ | ||
ディスプレイ | 有機EL | LED | ||
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 89.6×52×12.8ミリ | 95×70×12.8ミリ | 105×70×14.8ミリ | 80×100×28.5ミリ |
重量 | 約80グラム | 約110グラム | 約120グラム | 約130グラム |
カラー | ホワイト、ブラック、ピンク | シルバー、ブラック、ピンク | マーズレッド、シルキーホワイト、プラチナブラック | ホワイト |
価格(発売時想定実売価格) | オープン(1万8000円前後) | オープン(1万8000円前後) | オープン(2万円前後) | オープン(1万8000円前後) |
発売 | 2013年2月7日予定 | (発売済み)2012年2月 | (発売済み)2010年12月 | (発売済み)2012年2月 |
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