第4世代Coreの性能は? 「Core i7-4770K」で速攻検証!!:自作派必読(4/4 ページ)
“Haswell”こと第4世代Coreプロセッサーで自作マシンを組むなら、まず気になるのがその性能だ。見せてみろ新世代CPUの実力とやらを!
最上位GPUではない最上位CPU、されどOCできる「K」
さて、自作派にとって「Haswellは買いなのか」というところが最も気になる点だろう。これについ考えると、まずCPU性能に関しては確かに向上しているが、ベンチマーク結果を見る限り「劇的」なものではない印象だ。その点、CPU性能のみに注目するユーザーからすると、肩透かしなのかもしれない。
ただし、“CPUトータル”として見ると、GPU性能は大きく向上しており、その点を含めてみれば、プラットフォームとしてのパフォーマンスは向上している。また、これに関連して3Dグラフィックスでの電力効率も向上していると言うことはできる。CPUだけでなく、GPUを含めた「アーキテクチャ」の改良という視点だ。統合GPUの利用を前提に考えているのであれば、この点がHaswellへ移行するメリットになる。
これらの点を踏まえたうえで、Core i7-4770Kに絞って見た場合、アーリーアダプタ以外のユーザーが4770Kを目指すメリットはどのくらいあるのだろうか。
対Ivy Bridgeで見る限り、グラフィックスカードを挿すことが前提のゲーマーにとっては、メリットが薄いという結果だ。少なくともCore i7-3770Kを使っているユーザーが乗り換えることで得られるメリットは、Intel Z87で6ポートに増えたSerial ATA 3.0による足回りの強化といった、フレームレートには直結しない部分だろう。もちろん、Core i7-2600K以前のCPU、特に第1世代Core i7でゲームをしているユーザーならば、CPU性能の向上幅も大きく、フレームレートも向上できると思われる。
Core i7-4700Kの統合GPUは、Intel HD 4600で「GT2」だが、すでに明かされているとおり、この上位GPU「GT3/GT3e」として、「Intel Iris Pro Graphics」「Intel Iris Graphics 5100」「Intel HD Graphics 5000」も展開される。デスクトップPCで最上位のCore i7-4770Kにこれら上位のGPUが採用されなかったのは、おそらくCore i7-4770Kを選ぶユーザーの多くがグラフィックスカードを追加するだろう、といったIntelの読みからではないだろうか。
しかしこの選択により、統合GPUを使う/使わないに関わらず、スペックとして見た最上位CPUとしての魅力が、若干薄らいだ印象も受ける。難しいところだが、最上位CPUは最上位GPUを搭載していて欲しかったというのが正直な感想だ。
ただし、倍率ロックフリーでオーバークロックできるという「K」の特徴は変わらない。今回はオーバークロックを試していないため、OC耐性について言及することはできないものの、OCを狙う人にとっての魅力は、従来の「K」同様だ。HaswellのOC耐性はどうなのか、そしてIvy Bridgeではソルダリングの変更、“殻割り”が話題となったが、新しいHaswellはどうなっているのか、こうした点を突き詰めるという楽しみ方もあるだろう。
関連キーワード
Core iシリーズ | Core i7 | Haswell | テスト | Intel 8シリーズ | Intel Z87 Express | ベンチマーク | 次世代 | 省電力
関連記事
Haswellで何が変わる?:第4世代Coreプロセッサーの強化ポイントを解説
“Haswell”の開発コード名で知られるIntelの第4世代Coreプロセッサーが登場した。新世代CPUの特徴を見ていこう。待望の“Haswell”解禁:「第4世代Coreプロセッサー」販売開始
インテルはHaswellの開発コード名で知られる「第4世代Coreプロセッサー」の一般販売を開始した。週末アキバ特価リポート:インテル新CPUの深夜販売はドスパラとBUY MORE、ZOAが実施!
土曜日夜から日曜日0時過ぎまで、インテルの次世代CPU“Haswell”とその対応マザーが主役とみられる深夜販売イベントがアキバで実施される。事前に名乗りを上げたのは3店舗だ。“Haswell”登場だっ:インテル、“Haswell”紹介イベントをアキバで開催──6月2日
Haswellのパフォーマンスをいち早く体験できる新CPUイベント「Intel Technology Day in AKIBA 2013」が秋葉原で開催される。2013年6月2日10時から。性能は2倍以上:Intel、第4世代Coreの統合グラフィックス上位版を「Iris」と命名
“Haswell”の統合グラフィックスについて、IDF Beijing 2013で公開されたeDRAM搭載版などの上位モデルに「Iris」(アイリス)の名称が使用されることが分かった。IDF Beijing 2013:Intel次世代プロセッサでUltrabookやタブレットはどう変わる?
Intelのモバイル戦略が加速する。中国・北京市で開催された開発者向け会議「Intel Developer Forum Beijing 2013」では、急成長を遂げたスマートフォンやタブレット市場に対するIntelの取り組みと、今後の戦略が示された。IDF Beijing 2013続報:第4世代CoreはスマホからPCをオーバークロック可能
北京で開催中の「Intel Developer Forum」で、“Haswell”ことIntelの次期主力CPU「第4世代Coreプロセッサー」に関する情報が大幅にアップデートされた。OC機能拡張を中心に紹介。Haswell最上位のグラフィックス性能をデモ:第4世代Coreプロセッサーは第2四半期に登場
Intelが“Haswell”こと「第4世代Coreプロセッサー」に関する情報をアップデート。CPUパッケージ上にエンベデッドDRAMを搭載するモデルの存在を明らかにした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.