俺のNAS導入がこんなに簡単なわけがない:シン・ゼロから始めるQNAP 第2回(3/3 ページ)
連載第1回では、初心者が選ぶべきNASの条件をまとめ、最適なモデルとしてQNAPの「TS-220」を紹介した。第2回では実際の導入や設定方法を見ていこう。
ユーザー管理の考え方
NASを家庭で使用する場合の形態はいくつか考えられる。
1つは家族それぞれが各々のPCのディスクを増設したい、という場合。1台のTurboNASに集約させればディスク容量を効率よく使うことができる。アルバムの写真やメディアファイルなど、家族全員で共有したいファイルを置くフォルダと、自分専用としてほかの人からは見られないフォルダの両方を管理できる。この場合は全権を持つ管理者のほかに、家族それぞれに限定的な権限となる一般ユーザアカウントを発行する。
もう1つは、ユーザーは1人ながら、複数のデバイス間で共有したい、という場合だ。この場合は管理者権限を持つAdministratorsグループとしてユーザーアカウントを作成してもいいだろう。
TS-220の最低限の設定が完了した段階ではまだ管理者のアカウントしかないため、どちらにしても自分自身のユーザーアカウントを作成することになる。Windowsにログインするときのアカウント/パスワードと共通のものを使用すれば、分かりやすいだけでなく利用の際に認証情報を入力する必要もない。
QfinderからTurboNASを選択してダブルクリックすると、管理インタフェースのログイン画面が開く。アカウント名adminとセットアップ中に設定したパスワードでログインするとQTS4.0のデスクトップにクイックスタートが表示される。TurboNASで何ができるか、一通り見ておくといいだろう。
ユーザー登録はコントロールパネルから行う。デスクトップ左上のアイコンをクリックするか、上部のタスクバー左端のメインメニューボタンで開くメニューから起動する。コントロールパネルの「ユーザ」をクリックし、「作成」ドロップダウンリストから「ユーザの作成」を選ぶ。
デフォルトで作成されるフォルダは次の通りだ。
- Download
BitTorrentやHTTP/FTPでダウンロードを行うアプリケーション「DownloadStation」がファイル保存用に使用する。
- home
アカウントごとに作成される、ユーザー専用のフォルダ。
- homes
各ユーザーのhomeの実体が置かれるフォルダ。
- Multimedia
メディアファイルを共有するためのフォルダ。ここに置かれたファイルはPhoto Station、Music Stationなどからもアクセスできる。
- Public
全員が読み書きできる共有フォルダ。
- Qsync
PCのローカルディスクと同期を取るアプリケーション「Qsync」が使用するフォルダ。
- Recordings
ネットワークカメラやWebカメラを用いた監視カメラシステム「Surveillance Station Pro」の録画ファイルが保存されるフォルダ。
- Usb
TurboNASのUSBポートに挿したストレージ。
- Web
Webサーバ機能を有効にした場合のドキュメントルートフォルダ。
ユーザーが作成できたらエクスプローラのネットワークからTS-220にアクセスするか、Qfinderから右クリックメニューで「ネットワークドライブの割り当て」を行えばネットワークドライブとして利用できるようになる。
さて、次回はNASの最も一般的な用途であるファイルサーバとしての活用法を見ていこう。
関連記事
シン・ゼロから始めるQNAP 第1回:初心者だってNASがしたい! でも何を買えばいいの……
今やPC初心者にとってもNASは興味のある機器となりつつある。しかし、どんなNASを選べばいいのか分からず、導入自体をためらっている人も多いはず。第1回はNAS選びのポイントを解説しよう。QNAPで幸せゲットだぜ:「HappyGet」でYouTube動画を簡単バックアップ
QNAPの“最強NAS”こと「TurboNAS」の魅力の1つは拡張性の高さだ。今回は本体に追加機能を加えることなく、TurboNASをさらに機能拡張する「HappyGet」を紹介する。お宝動画がキミを待っている!!NASに新たな可能性:QNAP「HD Station」徹底活用
前回お伝えしたように、QNAP「TurboNAS」のファームウェア3.81は、サーバ機能のみならずメディアプレーヤー機能までサポートした革新的なバージョンアップだ。今回はその新機能「HD Station」を掘り下げて解説していく。さらにできるようになった最強NAS:QNAPの“革命的”ファームウェア「3.8」を試す
QNAPのTurboNASは、継続的なファームウェアのバージョンアップが特徴の1つ。今回リリースされた「3.8.0」および「3.8.1」はブレイクスルーともいえるバージョンだ。移動中に動画や書籍を消化しよう:自宅のQNAPをモバイルで活用する基本テクニック
NASに大量のファイルを貯め込んでいるけど消化する時間がない……そんなときに便利なのが、外出先でもこれらを閲覧・再生できるスマートフォン向けアプリだ。最新ファームウェアを使い尽くせ!:「TurboNAS」でよみがえる“ディスクレス”マシン
TurboNASの最新ファームウェアで追加された機能の1つに、TFTPサーバ機能がある。TFTPはFTPよりも軽量なUDPを用いたファイル転送プロトコルで、認証機構を持たない。そのため、FTPの代替ではなく特殊な用途でのみ使用される。その代表がネットワークブートだ。フフフ、こうも簡単に入れ替えられるとはな:こんなに手軽――QNAP「TurboNAS」を新モデルにリプレースする
オフィスでファイルサーバを導入しているところは多い。だが、HDD込みのシステムとして購入すると、償却前に容量が足りなくなったとき、コストや保守の面から対応が困難になりやすい。また、ユーザーやファイル数が増えてくればファイルサーバ自身のパフォーマンスが問題になることもある。今回は実際にTurboNASのリプレースを行う場合の手順について紹介しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.