「Mantle」の効果をRadeon R9 290X/280X/270Xで試してみた:期待の新API(3/3 ページ)
AMDの新API「Mantle」でどれだけ性能が上がるのか。実際に試してみた。
「40%向上」は話半分、実際にはフレームレートの安定が快適度の向上に大きく貢献
今回、Radeon R9シリーズのグラフィックスカード3製品でMantleを検証したが、うち、Radeon R9 290X、R9 270Xでは明確な効果が見られた。特にRadeon R9 270Xに関しては、まだAMDドライバ側、Battlefield 4側で明確な最適化対応が表明されていないなか、効果が見られた点はおもしろい。しかも、19%という今回の計測での最大の向上率を見せたのもRadeon R9 270Xだった。
19%という今回の最大の向上率だが、AMDのいう40%からするとまだ半分となっている。ただ、これは計測するシーンによっても異なってくるだろう。Mantleにより有利な描画シーンであればまた変わると思われる。どのシーンがより効果的かという点はまだよく分からないし、システム側の違いもあるかと思う。AMDの検証環境とは異なるシステムでテストしたわけだが、そうしたシステムでも最大で20%近い向上が見られたわけだから、お手元のシステムでも是非試して見てほしい。
実際のところ、向上率よりも体感的に効果的だったのは、Radeon R9 270X時のスパイク解消だ。一時的に高負荷となりフレームレートが落ちると、描画がカクカクするものだ。それが解消されれば、映像はスムーズなものとなる。40%というアピールは話半分、実際の体感上の快適度でのMantle効果のほうが個人的にはプッシュしたい理由になる。
さすがに、グレードを超えて、Radeon R9 270XがR9 280X級のパフォーマンスになるわけではないが、ちょっとキツイ(すでキツい状態だとおそらくムリ)なと感じていた方が使用すれば、「これならイケる!」といった印象に変わるのではないだろうか。
おそらく、まだMantle自体には伸びしろがある。最適化は100%ではないだろう。Mantleの対応タイトルも、実質的にまだBattlefield 4のみ。スタートしたばかりのテクノロジーだ。だからこそ、今後の動向が重要だ。
今後、引き続き対応タイトルが増えていけば、メーカー・ユーザー双方からの支持が得られるだろう。いつまで経っても対応タイトルが増えないようでは普及しない。その点で、Mantleの動向は、今後も興味深く注目していきたい。願わくは、Mantleでフレームレートが計測できるユーティリティの登場を願いつつ。
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