ビッグローブ古関社長、3G/Wi-Fiを内蔵したウェアラブル端末を披露
「せっかく年度初めに、私どもの会社が新しくなり、これだけの方に来ていただいたので、まったくお話ししていないものを、ちょっとだけお見せしたい」と古関氏が取り出したのは、新しいウェアラブル端末だった。
ビッグローブ 代表取締役社長 古関義幸氏が、腕時計型と思われるウェアラブル端末を開発していることを、4月8日の事業方針説明会で明かした。説明会では、古関氏が実際に端末を腕に装着して紹介した。
「まだOS(Android)がやっと動いたという段階」(古関氏)だそうで、製品化は未定。腕時計型のデバイスは、すでに多くが発売されているが、Bluetoothを介してスマートフォンと連携するのが前提となっている製品がほとんどだ。ビッグローブの新製品は、3GとWi-Fiを内蔵しており、単体で通信できることを特徴としている。
バッテリーは「大きいものを積んでいる」そうで、「サービスを動かしてみないと分からないが、1日から2日持つだろうと試算している」と古関氏は話す。
「着想を得たのは2年くらい前。社内で『こんなデバイスを作りたい』と提案をしたところ、開発チームからは『そんなものを作っても売れませんよ』と言われた。『だったら自分たちが欲しいものを作ってよ』と言ったら、『こういうデバイスが欲しいんです』というコンセプトを作ってくれた。『それは面白いね』ということで、1年前の今ごろ、プロジェクトを作り、ハードウェアのチームに入ってもらった。
数カ月検討したが、去年(2013年)の夏ごろに、『今のテクノロジーではそれは作れません』という結論になった。少し時間を待たないといけない……と思っていたら、『こういうやり方ならできそうです』という話になった。じゃあ作ってみるかとなり、試作してみた」と古関氏は振り返る。披露された製品は「できたてほやほや」で、ハードウェアが動いたのは2週間前だという。
なぜウェアラブルに参入しようと考えたのか。古関氏はその意図を「グラスはあまり興味がないけど、ここ(腕)で動く端末が欲しかった。これを使って、新しいサービスをやろうと思っている。3G回線につながれば、いろいろなサービスができる。サービスのアイデアはたくさんあるが、スマートフォンではしっくり来ないものもある。だからウェアラブルを作りたかった」と説明する。
製品化のめどや発売スケジュールが気になるところだが、「正直言って、非常にチャレンジング。まだまだいろいろな不具合もあるだろうし、使い方もこれでいいのかは分からない。今のところの予定として、3カ月くらいでまずサービスを載せて、モニターの方に使っていただき、本当に売れそうかを検証したい。『製品化してほしい』という声をいただいたら、最短で半年、気持ちとしては(2014)年内ぐらいに出したい」と古関氏は見通しを話した。
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