即戦力の「ネットワークカメラ」を利用シーンごとに選んでみた:SOHO/中小企業に効く「ネットワークカメラ」の選び方(第2回)(2/2 ページ)
防犯・監視用途にとどまらず、受付の様子や会議室の利用状況のモニタリングなど広い範囲で使われるようになったネットワークカメラ。そんなネットワークカメラの選び方を提案する本連載の第2回は、利用シーンごとにおすすめ製品例を紹介しよう。
パン/チルト対応
ネットワークカメラの中ではハイエンドに分類される、リモートによるパン/チルトに対応した製品もチェックしよう。このクラスでは卓上設置を前提とした製品は少なく、壁掛けもしくは天井への取り付けがほぼ前提となる。価格は安価なもので数万円から、高価な製品では50万円近くするので、必要な機能を見極めて選びたい。
なお、壁掛けもしくは壁面への取り付けキットは別売の場合もあるほか、導入規模が大きくなることで、複数台監視のソフトウェアや録画機器が必要になってくるのも、おおむねこのクラスの製品からだ。予算計画を立てるうえで注意してほしい。
パナソニックの「BB-ST165A」は、130万画素、最大1280×960ピクセルでの撮影に対応したコンパクトなボックス型のカメラだ。水平画角は85度で、コントラストの激しい被写体を補正するワイドダイナミックレンジや顔検出機能、さらにはプライバシーゾーンの設定にも対応し、画像はメモリカードへの保存のほかFTPでの転送も行える。
キヤノンの「VB-S30D」は、210万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応したドーム型のカメラだ。有線接続でPoE対応という特徴は前述したVB-S800Dと同一だが、こちらはリモートでのパン/チルトが可能なほか、光学3.5倍ズームを搭載する。このほか、光学ズームなしの「VB-S31D」、130万画素のエントリーモデル「VB-S805D」も用意している。
同じくキヤノンの「VB-H41」は、210万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応した天井取り付け式のカメラだ。価格は28万8000円(税別)とこのクラスでは高額だが、光学20倍ズームを搭載するなど、カメラ部の性能は高い。デイナイト機能により暗所での撮影にも適しており、さらにブレ補正にも対応する。このほか、130万画素のエントリーモデル「VB-M40」も用意しており、画素数と音声対応などを除けば、ほぼ同等の仕様だ。
パナソニックの「BB-SC384A」は、130万画素、最大1280×960ピクセルでの撮影に対応した天井取り付け式のカメラだ。360度のパン、最大162度のチルトに対応するほか、光学18倍ズームも搭載する。ワイドダイナミックレンジや顔検出機能、さらにはプライバシーゾーンの設定も備えるなど機能は豊富だ。メモリカードへの保存、FTPでの転送にも対応する。
ソニーの「SNC-WR630」は、238万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応した天井取り付け式のカメラだ。価格は48万円(税別)と競合製品に比べて飛び抜けているが、最大700度/秒の高速旋回が可能な点は、競合製品にない強みだ。フレームレートは最大60fpsまで対応するほか、光学30倍ズームも搭載する。画素数が137万画素のエントリーモデル「SNC-WR600」なども用意している。
屋外用
屋外用のネットワークカメラは、防水と防塵(ぼうじん)の機能が必須となるほか、設置にあたっては取り付けキットを用いた工事が必要になることがほとんどだ。それゆえ技術力や導入時のフォロー体制がしっかりしたメーカーのみが、製品を展開できる図式になっている。ここではドーム型のモデルを中心に紹介しよう。
パナソニックの「BB-SW175A」は、屋内向けのパン/チルト対応製品として紹介したBB-ST165AにIP55相当の防水防塵を加えた製品。130万画素、最大1280×960ピクセルでの撮影に対応するなど、基本スペックはおおむね同じだ。PoEやSDメモリーカードへの録画など一部機能を省略しつつ、無線に対応した「BB-SW174WA」もある。
キヤノンの「VB-H610VE」は、210万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応し、防水防塵の保護等級はIP66に準拠するドーム型のカメラだ。耐衝撃性能が高いバンダルタイプのモデルで、カメラのパン/チルトではなく、111度の広角レンズで撮った映像から任意のエリアを切り出して表示するデジタルPTZ機能を備えている。アスペクト比が16:9の本製品と異なり4:3で、プリセット巡回などの一部機能を省いた「VB-M600VE」もある。
ソニーの「SNC-HM662」は、500万画素、最大2560×1920ピクセルでの高解像度撮影に対応し、防水防塵の保護等級はIP66に準拠するドーム型のカメラだ。水平画角は182度で、360度全方位の撮影に対応する。こちらもカメラのパン/チルトではなく、全方位の画像から切り出して表示する仕組みだ。動体検知のほか、双方向の音声機能も搭載している。
ソニーの「SNC-EM632R」は、214万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応し、防水防塵の保護等級はIP66に準拠するドーム型のカメラだ。赤外線による0ルクスでの撮影に対応し、パン/チルトはもちろん、光学3倍ズームも利用できる。ラインアップには、137万画素のエントリーモデル「SNC-EM602R」、フレームレート60fpsや音声入出力にも対応した「SNC-VM632R」のほか、上位には、高速旋回が可能なパン/チルト対応モデル「SNC-WR630」の屋外版に相当する「SNC-WR632」も用意している。
パナソニックの「WV-SFV631L」は、235万画素、最大1920×1080ピクセルでの撮影に対応し、防水防塵の保護等級はIP66に準拠するドーム型のカメラだ。こちらも赤外線による0ルクスでの撮影が可能で、パン/チルトはもちろん、光学3倍ズームも利用できる。フレームレート60fpsに対応するほか、2つのメモリカードスロットを備えるのも特徴だ。133万画素のエントリーモデル「WV-SFV611L」もある。
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