“7000円台”のWindowsタブレットが米国で発売!――Microsoftは何で収益を上げるのか?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
年末商戦まっただ中。「ゼロ円Windows戦略」で追い上げを図るMicrosoftだが、米国ではついに59.99ドルの7型Windowsタブレットが登場した。Windowsを一部で無料化して、Microsoftは何で収益を上げていくのか、同社の新しい戦略を追う。
Windows 10のロードマップを再整理する
Windows 10のロードマップについては9月の発表を受けた連載記事でも触れているが、より具体的なタイムラインがターナー氏により提示されたため、ここで改めてまとめておきたい。
まず「2015年早期」とされていた「コンシューマー向け」の発表だが、「2015年初春」と明言された。筆者は「Mobile World Congressのある3月初旬前後ではないか」と以前に予想していたが、おそらくかなりの高確率でWindows 10のコンシューマー向け新UI、特に「タブレットとスマートフォン向け」のUIがここで公開されるとみられる。
次に「Windows 10 Developer Preview」の提供を「2015年初夏」としているが、すでに開発者向けのWindows 10 Technical Previewが定期アップデートつきで提供されている中、なぜわざわざDeveloper Previewを別途用意する必要があるのかという疑問がある。
同様の疑問は米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー(Mary Jo Foley)氏も抱いており、何らかの理由でTechnical PreviewとDeveloper Previewを分離し、2015年4月末に開催される開発者向けBuildカンファレンスの参加者に提示するのではないか、と予想している。
しかし筆者はもう1つの予測として、6月初旬に台湾で開催されるCOMPUTEX TAIPEIのタイミングでDeveloper Previewが提供され、主にOEMを対象とした何らかの施策発表が行われるのではないかと考えている。
既存のTechnical Previewと、初春に発表されるコンシューマー向けβ版が比較的一般ユーザー向けのものだとすれば、Developer Previewはより限られた範囲をターゲットにしたものという考えだ。
ターナー氏が言うように、Windows 10は4つのOS(組み込み、タブレット/スマートフォン、PC、Xbox)を1つのプラットフォームへと統合したもので、この辺りのフォローがDeveloper Previewで行われるのではないだろうか。なお、Windows 10のOSライセンス戦略についてもこの前後で説明されるとみられる。
そして「2015年夏の終わり」「2015年秋」に製品版のWindows 10が提供されるという。前者はRTMを意味しており、おそらくは企業向けのEnterprise Editionの先行提供を意味していると思われる。そのため、一般向けのOS販売開始は「10月」辺りになると筆者は予想する。
11月にはOEM各社から搭載製品が市場に登場し、11月末からスタートする2015年のホリデーシーズン商戦に間に合わせるという算段だ。ターナー氏はもう1つ、「Windows 10によるWindows 7の置き換え」に言及しており、おそらくWindows 7で固定化されつつある企業のWindows製品を、順次置き換えていくのがWindows 10の大きな狙いと考えられる。
もう1つ、最近は「Office for iPad」のアップデートや「Office for Android tablet」のプレビュー版登場が話題となったが、「タッチUIに最適化されたOffice for Windows」の登場もおそらくWindows 10とほぼ同時期(2015年後半)になると前述のジョー・フォリー氏は予測している。
この新しいUIを備えたOfficeはタブレットUIのWindowsタブレットとは不可分の関係にあり、2015年後半の製品ラッシュの目玉の1つとなるだろう。
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