UQからWiMAX 2+の下り最大220Mbps対応機種が登場! ワイモバイルは設立から1年未満で消滅へ:ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(2/2 ページ)
UQコミュニケーションズは、CAや世界初となる4×4 MIMOへの対応による下り最大220Mbps対応機種を発表。また、新料金プランを2月20日より提供開始する。気になる通信速度制限の内容も紹介しよう。
料金プランは2月20日受付分より実質値上げに
UQコミュニケーションズは2月20日から、新料金プラン「UQ Flatツープラス ギガ放題」(以下、ギガ放題)を提供開始する。2年契約時の基本料金は月額4880円(税別、以下同)で、各種割引適用後の料金は月額4380円となる。なお、契約から3カ月間は月額料金が3696円に割引される。
現在提供中の「UQ Flatツープラス」は、「契約から2年間の間」は月間の通信量に基づく速度制限が行われない。新プラン「ギガ放題」で月間の通信量に基づく速度制限が行われない期間が限定されていないが、前述の通り月額料金が4380円に値上げされる。ざっくりと言えば、通信量使い放題のプランを2月20日以降に契約する場合は、月額料金が現行の3696円から4380円に値上げすることになる。
4×4 MIMOに対応するWX01や、WiMAX 2+初の据置用のWi-Fiルーターとして発表された「URoad-Home2+」の発売予定日が3月以降となっているため、現行の料金プランで契約することができないのは悩ましいところだが、WiMAX 2+の契約を考えているなら早めに契約した方が良いだろう。
「直近3日間で3Gバイト」を超えた際の通信速度制限は緩やかに実施
これまで「通信速度制限なし」をうたってきたUQコミュニケーションズだが、今回初めて、本格的な通信速度の制限を実施することを発表した。その内容は「前日までの直近3日間でWiMAX 2+およびau 4G LTEの通信量が3Gバイトを超えた場合」に、WiMAX 2+およびauの4G LTEの通信速度を制限するというもの。WiMAX 2+の通信速度制限については4月1日以降に適用される。
速度制限時の具体的な速度は非公開だが、「YouTubeの標準画質程度は問題なく見られる」程度であるとされ、速度制限の対象になった場合でも極端に通信速度を落とすような制限は行わないと説明された。なお、通信速度の制御は周辺の基地局の混雑などとは関係なく、しきい値を超えた利用者に一律適用される。
UQコミュニケーションズでは、ハイスピードプラスエリアモードの通信量が1カ月に7Gバイトを超えた場合などを対象にした通信速度制限を行っていたが、ハイスピードプラスエリアモードを使わなくても通信速度の制限が行われるのは今回発表された制限が初となる。
UQコミュニケーションズでは「極端に遅くなるような速度制限は行わない」と説明するが、これまで「ノーリミット」をうたってきたUQコミュニケーションズだけに、今回の通信速度制限がどれだけ厳しいものになるのかは、実際の速度制限開始後の状況を注視したい。
ソフトバンクモバイル、MNP転出手数料などを値上げへ
ソフトバンクモバイルは、機種変更時やMNP転出などの各種手数料を値上げすることを発表した。値上げは4月15日以降の受付分より適用される。値上げ対象となる手数料の詳細は以下の通り。
対象 | 現行料金 | 変更後料金 |
---|---|---|
機種変更手数料 | 2000円 | 3000円 |
MNP転出手数料 | 2000円 | 3000円 |
電話番号・メールアドレスお預かりサービス事務手数料 | 2000円 | 3000円 |
電話番号変更手数料 | 1500円 | 3000円 |
譲渡手数料 | 1800円 | 3000円 |
USIM再発行手数料 | 1900円 | 3000円 |
※価格は税別 |
ソフトバンクモバイルでは、値上げの理由として「近年の事務対応の増加」を理由にあげている。ソフトバンクモバイル以外の各社には、現時点で追従する動きは見られないものの、各種手数料などは基本的に横並びとなることが多いので、今後はドコモやKDDIでも同様の値上げが発生する可能性がある。
ソフトバンクグループ4社が合併、ワイモバイルは消滅へ
ソフトバンクは、ソフトバンクモバイル、ワイモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムの4社を4月1日付けで合併することを発表。合併後はソフトバンクモバイルが存続会社となり、それ以外の3社は合併によって消滅。この合併によって法人としてのワイモバイルは2014年7月の誕生から1年を待たずに消滅することになる。なお、サービスブランドとしての“ワイモバイル”は継続利用される方針だ。
合併によって誕生する新生ソフトバンクモバイルの契約数は、ソフトバンクモバイルの3700万件と、ワイモバイルの推定1100万件前後を合算しておよそ4800万契約となり、国内の通信事業者としてはNTTドコモに次いで第2位となる(ワイモバイルは2014年以降、契約数の発表を取りやめているため、2013年第4四半期の数値が最新)。
今回の合併の背景には、総務省の電波の割当が従来の「会社単位」から、ソフトバンクモバイルとワイモバイル、またKDDIとUQコミュニケーションズなどを「グループ」として扱う方針に変更したため、別会社とするメリットが薄れてきたことが理由の1つであると考えられる。
総務省、訪日外国人のスマートフォン利用の制限緩和を検討
MVNOのIIJが開催した「IIJmio meeting 6」に出席した総務省の富岡氏は、訪日外国人が一時的に持込するスマートフォンなどの機種について、「技適マーク」の無い機種でも法的に問題なく利用ができるように電波法を改正していくと説明した。
日本を訪れる訪日外国人の数は、2014年に過去最高となる1341万人を記録。政府観光局は訪日外国人数を2000万人を実現させるべく、各種プロモーションなどに取り組んでおり、今後も訪日外国人数は増加することが予想される。
そんな中、2014年には訪日外国人向けのプリペイドSIMがMVNO各社より多数登場したが、技適マークの無い機種を国内の通信事業者のSIMカードで利用すると、現行の電波法上は違法となってしまう。総務省が取り組んでいる法改正によって、訪日外国人が日本国内でスマートフォンが使いやすくなるだろう。
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