「新しいMacBook」は過去を捨て、どのように変わったか?:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
新世代MacBook Airとうわさされた12型の薄型軽量ノートは、予想外の「MacBook」だった。その大胆な仕様は万人に受け入れられるまで少し時間がかかるかもしれないが、今後のノートブックコンピュータを変えていく可能性も秘めている。
新しいMacBookは次期OS Xで真価を発揮する?
しかし、本当の意味で「ノートブックコンピュータの再発明」だと膝を打つためには、開発者向けイベントの「WWDC 2015」まで待つ必要があるかもしれない。アップルはこれまで、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせでイノベーションを起こしてきた。現時点では単なる推測にしか過ぎないが、もし、再発明と呼ぶだけの進歩があるのであれば、それは次のOS Xと新しいMacBookの組み合わせによってもたらされるのではないだろうか。
1つには新しいトラックパッドの応用という点があるが、複数のMacやiOSデバイスをiCloudでつないで、作業環境の違いを意識させない手法を提案してくるかもしれない。なぜなら、新しいMacBookは(やや極端ではあるが)潔くインタフェースを整理し、外部データとの接続経路を限定しているからだ。MacBookほどシンプルに徹するのであれば、シンプルさのデメリット(自由度の少なさ)を克服する施策が必要になる。
MacBookをクラウドへの入口と評価するならば「iCloudとの連動強化」、自宅やオフィスで使うMacを切り出したもの(「スライス」などと言われる)と捉えるならば「OS Xの同期機能充実」といった改良点が見える。本質は同じなので、両方が同時にというシナリオもあるだろう。
いずれにしても、パフォーマンス面ではある程度妥協しながらフォームファクタにこだわったMacBookだけに、より上位のMacと組み合わせて使うソリューションが、OS X自身に盛り込まれるのではないだろうか。あくまで予測だが、そうでなければ新しいMacBookはただ単にパフォーマンスと機能を割り切ってリローンチしただけの製品になってしまう。そんなことはなかろう……というのが、筆者の予測だ。
なお蛇足だが、MacBook Air、MacBook Proを含め、新製品は最新の為替レートに合わせたドル/円換算価格に変更されている。製品構成によって価格は異なるが、日本での新しいMacBookの価格は、1.1GHzデュアルコアのCore Mと256Gバイトフラッシュストレージを搭載するモデルが税別14万8800円、プロセッサクロックが1.2GHzで、512Gバイトフラッシュストレージを搭載するモデルが税別18万4800円となっている。いずれも発売日は4月10日だ。
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