スマホ強化にこれ1台 モバイルバッテリーにもなるWi-Fiカードリーダーは買い?(3/3 ページ)
SDメモリーカードはもちろん、USBメモリや外付けHDDもワイヤレスで接続でき、おまけにモバイルバッテリーにもなる。そんなラトックシステムの便利アイテム「REX-WIFISD1H」を試してみた。
外部アプリでの再生、WebDAVやDLNAにも対応
本製品は5GHz帯には非対応で、Wi-Fiは2.4GHz帯のみ(11b/g/n)となるが、各種ファイルを再生してみた限りでは、実用レベルの転送速度が出ているようだ。iPhoneで録画したフルHDの動画データも、コマ落ちしたり固まったりといったこともなく再生できた。
ビットレートが極端に高いファイルともなると難しい可能性はあるが、読み出し速度が速いSDメモリーカードと組み合わせて、外出先で動画データを楽しむための持ち歩き可能なファイルサーバとして使うのもよさそうだ。
なかなか気が利いていると感じるのが、ファイルを長押しすると、外部のビュワーアプリを選択するためのウィンドウが表示されること。動画で内蔵ビュワーがフォーマットに非対応の場合も、外部のビュワーアプリに切り替えることで、再生が可能になる。この種のアプリでは、内蔵ビュワーが対応していなければ諦めめざるを得ないケースがほとんどだが、救済策が用意されているのはありがたい。
今回試した中でうまくいかなかったのがバックアップ機能だ。本製品はカメラロール内の画像および連絡先のデータをバックアップする機能が用意されているのだが、実際に試してみたところ、前者はエラーが出て終了し、後者は完了こそしたものの、バックアップデータをWindowsで開くと名前などが文字化けして読み取れなかった。
何かのトラブルでデータを消してしまい、バックアップしておいたデータを復元してみたが使えなかったというのは、ユーザーにとって最もダメージが大きいケースだ。事前のテストもなかなか難しいだけに、信頼性の向上が必要だと感じた。
意外に重宝するのがモバイルバッテリー機能だ。本製品を終日カードリーダーとして使うことがなかったとしても、モバイルバッテリーとして使えるのであれば、バッグの中に入れて持ち歩く意義が生じる。
バッテリーを完全に使い切ってしまうとWi-Fiはつながらなくなるが、PCとUSBケーブルで接続しての読み書きは可能なので、むしろ「いざというときはカードリーダーにもなるモバイルバッテリー」くらいの感覚で、セカンドバッテリーとして、バッグの中に常備するという使い方も考えられる。
スマホやタブレットはもちろん、PCでも重宝するアイテム
以上ざっと使ってみたが、単に「Wi-Fiのカードリーダー」というだけにとどまらない、多彩な機能を搭載した製品であることがあらためて分かった。
実売価格は9000円前後だ(2016年12月16日現在)。専用の検索ツール「FindWiDrawer」を使えばPCとの間でもWi-Fi接続できるので、スマホやタブレットとの組み合わせでも、PCとの組み合わせでも、1つ持っておくと何かにつけて重宝する。SDメモリーカードとUSBメモリが排他式ではなく、同時に認識できるのもよい。モバイルバッテリーとして使えるのも気が利いている。
ネックなのは、限られたボタン数でさまざまな操作を行い、かつステータスも表示しなくてはいけない関係上、説明書を読まないと理解できない操作や仕様が多いことだ。例えば電源ボタンはカードリーダーやUSBホストアダプターの機能を使う場合は長押し、バッテリーとして使う場合は短押しでオンにする必要があるが、こうした操作は説明書を読んで初めて分かることで、行き当たりばったりで使うのは難しい。
この辺り、致命的な問題というわけではないのだが、次期モデル以降で改善されることがあれば、さらに盤石な製品となるだろう。5GHz帯への対応と合わせて、期待したいところだ。
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