Windows 10の「シャットダウン」と「再起動」は異なる トラブル発生時は再起動を選ぶべき理由
一見、システム終了後に起動するかどうかの違いだけに思えるWindows 10の「シャットダウン」と「再起動」。実は内部の処理が違っており、トラブルシューティングの際にこの違いが重要になる。
Windows 10を終了する場合、初期設定のスタートメニューでは「スリープ」「シャットダウン」「再起動」の3種類から選べるようになっている。このうち、シャットダウンは文字通り「PCをシャットダウン(システムを終了)して電源オフの状態にする」、再起動は「PCをシャットダウンしてから直ちに起動する」ということで、システム終了の動作までは同じだと考えているユーザーは少なくないかもしれない。
しかし、Windows 10ではこの2つの違いを正しく理解していることが意外に重要だ。日本マイクロソフトのカスタマーサービス・サポート公式twitterアカウントであるマイクロソフトサポート(@MSHelpsJP)は、トラブルが発生した場合はシャットダウンからの電源オンではなく、再起動を試すよう、ユーザーに注意を促している。
理由としては、「シャットダウン」と「再起動」はWindows 10の終了時にPCへ保存されるデータが異なり、その後に起動するときの動作に違いが出るからだ。Windows 10では「高速スタートアップ」機能が初期設定で有効になっており、終了時に「シャットダウン」を選択すると高速スタートアップが有効のまま電源がオフになる。
高速スタートアップとは、シャットダウン時にPCのシステム情報をファイルに保存することで、シャットダウン後に素早く起動するための機能だ。ただし、あらかじめ保存されたデータが起動時に読み込まれることで問題が起きる場合があるため、トラブルが発生した場合には高速スタートアップを利用しない「再起動」が推奨となる。
例えば、BIOSの設定変更や、追加した周辺機器が認識されないなどの問題がある場合、「再起動」で高速スタートアップを回避することで、改善する可能性がある。
なおメーカー非推奨の行為だが、Windows 10の高速スタートアップ機能は「設定」アプリからオフにできる。管理者権限のアカウントで「設定」アプリを起動し、「システム」→「電源とスリープ」にある「電源の追加設定」をクリック。「電源オプション」のウィンドウが開くので、「電源ボタンの動作の選択」から「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック後、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックボックスを外して、「設定の保存」をクリックすれば完了だ。
高速スタートアップ機能をオフにすると、PCの起動に時間がかかるようになるが、Windows 10の「シャットダウン」を選択して終了するときに、システムを完全に終了できるようになる。これにより、「再起動」を選択した場合と同じ終了の動作になるわけだ。
また、高速スタートアップ機能をオフの設定にしなくても、Windows 10のスタートメニューを表示し、キーボードの「Shift」キーを押しながら「電源」の「シャットダウン」をクリックすることで、一時的に高速スタートアップ機能をオフにして完全にシステムを終了できる。
【更新:2018年8月21日午前11時 一時的に高速スタートアップ機能をオフにしてシャットダウンする方法を追記しました】
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