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「Surfaceの成功は日本なくしてありえなかった」と“Surfaceの父”パネイ氏が語る日本への思い鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)

Microsoftのデバイス事業を率いるパノス・パネイ氏が来日し、プレス向けにトークセッションを開いた。Microsoftの2in1 PC「Surface」シリーズを中心に話を聞いた。

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間違いなくSurface Goは日本を意識した製品だ

 また今回のミーティングでパネイ氏はたびたび「日本」というキーワードを強調しているが、実際に顧客からの声を反映して投入された製品はあるのだろうか。同氏はこれについて「間違いなくSurface Goは日本を意識した製品だ」と即答する。

 ミニタブレットの可搬性と「フルキーボード」という組み合わせは日本市場でのニーズを意識したもので、例えば競合の1つであるiPad miniでは純正オプションでのSmart Keyboardが存在しない。サードパーティー製品か純正でもBluetooth接続の汎用キーボードを利用する必要がある。元々ミニノートPC的なカテゴリーは日本中心に盛り上がっていると指摘されていたが、それをSurface Goはカバーできるということになる。


1800×1200ピクセル表示の10型ディスプレイを搭載する「Surface Go」

 MicrosoftがAlways Connected PC戦略を推し進めるうえで、LTEモデムや常時接続をコンセプトにした製品を積極投入して市場をリードするという考えもあるが、必ずしもこれは個々人のニーズには合致しない。

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 Surfaceというグローバル市場を相手にする製品を擁する以上、最大公約数的な形でニーズをカバーしなければいけないだろうが、それでもなお各市場や個々人のニーズを吸い上げてSurfaceという製品に昇華し、それでもカバーしきれないものはOEMやパートナーのソリューションで補完していくというのがMicrosoftのデバイス戦略なのだろう。

 なお、パネイ氏は米ワシントン州レドモンドの本社チームにおいて、常にSurfaceのさまざまなコンセプトを交えて開発を進めている。現時点では話せないものの「既存のSurfaceとは異なるコンセプトの製品」の開発を進めており、将来的に市場投入する可能性をほのめかしている。

 ミーティングの終了間際には「また10月にお会いしましょう」とも述べており、例年通り10月にSurfaceの新製品発表が行われ、日本でも個別ローンチイベントが開催されることを認めている。今はまだ形になっていないが、その時を楽しみに待っていよう。

記事初出時、誤記がありましたので訂正しました(2019年5月14日13時30分)。


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