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画面タップで直感的に操作! Fireタブレットの新機能「デバイスダッシュボード」を使ってみた山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

Amazonのメディアタブレット「Fire」シリーズに、家庭内のスマートホームデバイスをタッチで操作できる「デバイスダッシュボード」機能が追加された。順次提供されている本機能を試してみた。

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よく似たタッチ式インタフェースとは何が違う?

 Alexaデバイスでスマートホームデバイスをタッチで操作できる画面は、今回紹介したFireのデバイスダッシュボードが初めてというわけではない。よく似た画面は他にもいくつかある。

 1つは、Fireを「Showモード」に設定している状態で、画面を右から左へとスワイプした時に表示されるショートカット画面だ。こちらはアイコンがカラフルで分かりやすい反面、階層が深いことから手間がかかる。またタブレットモード時は利用できない。

 そのため、タブレットモード時はデバイスダッシュボード、Showモード時は左スワイプで表示されるショートカットといった具合に、各モードごとに使い分けるのが妥当だ。ちなみにこのデバイスダッシュボードの方がアイコンは小柄で、多数のデバイスを接続している場合の一覧性は高い(ただし視認性は劣る)。

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Fireを「Showモード」に設定している状態で、画面を右から左へとスワイプし、「スマートホーム」をタップすると……

ショートカット画面が表示される。機能的には今回のデバイスダッシュボードと同等だ

 もう1つ、Alexaアプリの「デバイス」画面も、このデバイスダッシュボードとよく似た画面だ。ただしこちらは「カテゴリ」と「グループ」での表示に限られており、このデバイスダッシュボードのような、よく使うデバイスをピン留めするような機能はない。階層も深いので、呼び出しやすさという点でもデバイスダッシュボードが有利だ。

 ただし、デバイスダッシュボードはあくまでも、デバイスの操作を簡単に行うためのもので、デバイス自体の追加や変更は行えない。それらを行いたければ、Alexaアプリを使うことになる。


Alexaアプリの「デバイス」画面。目的のスマートホームデバイスを「カテゴリ」「グループ」から呼び出してタッチで操作できる

有用だがまだまだ発展途上。今後に期待

 以上のように、類似の機能と比べてみると、

  • タブレットモードで使える
  • すばやく呼び出せる
  • 閲覧性が高い

 というのが、デバイスダッシュボードの特徴であることが分かる。特にホーム画面からすぐ呼び出せるのは大きなメリットで、これがあるからこそFireタブレットを使おうとする人は今後出てくるはずだ。

 とはいえ、まだ発展途上の印象は否めない。中でもアイコンは配色も同じで見分けがつきにくい他、オンとオフも反転表示させただけで分かりづらい。アクセシビリティーを意識しているのかもしれないが、その割にピン留めのピンだけは無駄に色がついていたりと、どうも一貫性がない。

 ちなみにGoogleのスマートディスプレイ「Google Nest Hub」にも類似の機能はあるが、そちらの方が圧倒的に見やすい。本製品も、ジャンルごとに色分けしたり、オンの状態ではいかにもアクティブであることが分かる配色を採用したりすれば、直感的に把握しやすくなりそうだ。


アイコンはジャンルごとに色分けされていることもなく、ただ並べただけだ。各デバイスのオン/オフのステータスも、反転表示させただけで分かりやすさに欠ける

こちらは前述の、「Showモード」でのショートカット表示。オン/オフのステータスが圧倒的に分かりやすい

Google Nest Hubにおける同様の画面。ステータス表示がすぐに分かる

 また、ピン留めの数を減らせないのもネックだ。例えばFire HD 8の場合、アイコンが横に4つまで並べられるので、利用頻度が高いものから4個、もしくは(2段使って)8個並べたいのだが、どれだけ数を減らしても最近使ったデバイスが自動的に追加され、アイコンは9個以上に増えてしまう。これは現状、回避策はないようだ。


設定画面でピン留めしたデバイスだけがホーム画面に表示されると思いきや、実際には指定していないデバイスまでもがずらりと並ぶ

 以上のように、音声での操作ができない時に便利なツールなのは間違いないが、現状では急いでリリースしただけの、いわばモックアップに毛が生えたレベルだ。機能自体は有用なので、半年後~1年後に、見違えるように進化していることを期待したいものだ。


縦表示にも対応。天地が広く使えるため、横表示に比べて一覧性は高い

Fire HD 10ではアイコンが横に5つ並ぶ。ちなみに、他のFireシリーズで行ったアイコンのピン留めは反映されない
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