IE11サポート終了の本当の問題って何だろう:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
登場から27年、Internet Explorerがついに終了を迎えた。紆余(うよ)曲折を経た長い道のりだったが、そこから見えてきた“本当の問題”について考えてみよう。
IE11終了が騒がれているのは日本だけ?
実は本件をテーマにした記事を編集部に依頼されたとき、周囲が記事にしそうなネタでは面白くないと思い、海外のIE事情をずっと調べていた。ただ予想通りというか、歴史を振り返る話題こそあるものの、関連のトラブルやクレームなどについては全くといっていいほど見られない。
例えば、Bloombergが「End of Internet Explorer Spells Trouble for Japan Businesses」のタイトルで日本の事情に触れている程度だ。中国を含む海外でのIEシェアは既に低く、特に欧州などではChromeが圧倒的シェアを持つ一方で、それをFirefoxとEdgeが追いかけており、IEはもはやチャートにすら出現していない(数字でいうと0.6%)。
もともと、脱Microsoftの気風のあった地域ではあるが、これら地域にとってIEとは既に過去の存在なのだ。
StatCounterを基にしたデスクトップ向けブラウザシェアの推移については、1年前にIE11のサポート終了について触れた記事の中でも紹介している。その際、日本でのIEのシェアは「6.36%」だったのだが、約1年後の集計では下記のように「2.56%」と確かに下がっている。
StatCounterはイントラネット向けのデータは正確に把握できていない可能性があるため、企業向けの実数としてはまだまだ高めの可能性があるが、サポート終了告知が一定程度の効果を生み出しているのかもしれない。
前回の調査ではグラフがプロットされなかった韓国だが、IEのシェアは日本に次いで多いともいわれている。同国でのIEのシェアは「1.59%」であり、日本よりは低く、世界水準からはやや高いといった感じだ。いずれにせよ、IEのシェアはサポートが終了してもまだまだある程度は残るのではないかと予想している。
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