「ポメラ DM250」は最上位モデルにふさわしいのか? 約6年ぶりの新モデルを試す(7/7 ページ)
キングジムのデジタルメモ「ポメラ」に約6年ぶりの新モデルが登場した。約6年前の先代モデルから何が変わって、何が変わらなかったのだろうか。徹底的に検証してみよう。
DM200と比べると「判定勝ち」だが……
DM250は、DM200で気になった部分の修正やスペックの向上、PCやスマートフォンとの連携の強化が図られている。DM200と比較した際の“優位性”に議論の余地はないだろう。
ただ、「DM200を現役バリバリ使っている人がDM250に買い換えるべきか?」と聞かれたら、そこまでする必要もないと感じる。DM200が生産終了となった今、DM200が故障したりへたってきた時の買い換え先として、DM250は無二の選択肢となるし、買い換え後に「DM200の方が良かった……」と後悔することもないはずである。DM250のストレスの少なさは特筆すべき特徴の1つといえる。
型番が「DM300」ではなく「DM250」になったのは、良い意味での「進化の小ささ」を感じさせる部分でもある。現在入手可能なパーツでDM200を再構成した上で、ユーザーの細かい要望を丁寧に拾った結果生まれたのがDM250なのだと思う。いってみれば「判定3-0での王者交代」みたいな感じである。完全勝利であることに疑いはないのだが、「6年も経てばこうなるよね」という予想の範囲内でもある。
今回のレビューに当たり、筆者が参加するライトノベル作家サークル「七味唐辛紙」のメンバーの作品をサンプルテキストとして使わせていただいた。メンバーにはDM200の“熱心な”ユーザーが複数おり、「起動とか、Wi-Fi接続は速くなりました?」「(新モデルは)DM300ですか?」「いくらですか?」と矢継ぎ早に聞いてきた。
しかし、カバーを開いてから入力可能になるまでの時間は編集中のファイルのサイズに関わらず6秒程度で、従来とそれほど変わらない。アップロードを選択してからWi-Fi接続が完了するまで14秒程度、アプリ接続を選択して準備ができるまで4秒程度といった所で、これもあまり変化がない。そして、型番は「DM250」と小刻みな変化。税込みの実売価格は5万5000円前後で、DM200の発売時とほとんど変わらない。笑顔で答えるにはなかなか辛い質問ばかりを受けてしまったような気がしている。
もちろん、DM250がプロユースに耐えうるポメラとして最高峰であることは間違いないのだが……。次なる新モデル(DM300かはさておき)にも大いに期待したい。
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