スマホ選びに悩んだら「iPhone 14 Pro」がベストか? iPhone 14シリーズを使い比べて分かったこと:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)
間もなく、「iPhone 14」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」が発売される。例年の新型iPhoneと比べると、「非Pro」と「Pro」の差が大きめである印象だが、実際の所はどうなのだろうか。実際に使い比べて検証してみよう。
メインカメラの画質“以上”に良い感じの「アクションモード」
iPhoneをカメラ目的に購入する人もいると思う。iPhone 14やiPhone 14 Proのカメラについては、別の記事で詳しくレビューする予定なので、今回は使い勝手や体験面について感じたことを述べたい。
今回の新しいiPhoneでは、アウト(背面)側のメインカメラ(従来は「広角カメラ」と呼んでいた)に変更が加えられた。iPhone 14では、センサーの画素数こそ約1200万で据え置かれているが、「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」で使われていたものと同等のスペックとなり、暗い場所での撮影に強くなっている。一方、iPhone 14 Proでは画素数が4倍の4800万となり、センサーサイズも大きくなった。
そんなメインカメラだが、センサーの変更以上に使い勝手や体験面で進化を感じる面もある。
まず、iPhone 14とiPhone 14 Proに共通する体験として、「アクションモード」の優秀さは予想以上である。ステディカム、あるいはカメラスライダーを使っているかのような安定した動画を撮影できる。
どれくらい優秀かというと、自転車に据えつけて、ガタガタと段差を乗り越えていっても、全くブレない。バンク角もごく自然にほんの少しだけ付いて自然に戻る。とにかく、カメラ任せでいい動画を撮れる。
手持ちで歩きながら撮影した際も、このメリットは生かせる。例えば趣味のブラジリアン柔術のスパーリングで練習している様子を色々な角度に回りつつ歩きながらフレーミングしてみると、まるでプロが撮影したドキュメンタリーのように見えてくる。
iPhone 14 Proならではのポイントは?
iPhone 14 Proの場合、アクションモードを使ってイイと思えるポイントとして、超広角カメラが明るくなったこと(F2.2→F1.8)も挙げられる。アクションシーンはある程度のシャッタースピードが必要となる上、4K(3840×2160ピクセル)の映像からフルHD(1920×1080ピクセル)を切り抜いて構成することになるため、超広角カメラの画角的にも扱いやすい。画質面でも、メインカメラとの差をあまり意識せずに使えるようになったのも良い。
メインカメラの話に戻ると、カメラの焦点距離が24mm(35mmフィルム換算:以下同)になったことも注目ポイントである。メインカメラでは4800万画素のセンサーのうち、中央部の1200万画素だけを使った「2倍撮影」ができる。超広角カメラや望遠カメラを合わせて使うと、「13mm(超広角)」「24mm(メイン)」「48mm(2倍撮影モード)」「77mm(望遠)」と、あたかも4つのレンズを付け替えるようにして撮影を楽しめるのだ。
iPhone 14は「Apple ProRAW」での撮影に対応しない。カメラの焦点距離の切り替えを始めとして、「カメラを骨の髄まで楽しみたいという人はiPhone 14 Proをどうぞ」ということなのだろう。画素数など数字で分かるスペック以上に、体験価値を高めているところだろうか。
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