スマホ選びに悩んだら「iPhone 14 Pro」がベストか? iPhone 14シリーズを使い比べて分かったこと:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/4 ページ)
間もなく、「iPhone 14」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」が発売される。例年の新型iPhoneと比べると、「非Pro」と「Pro」の差が大きめである印象だが、実際の所はどうなのだろうか。実際に使い比べて検証してみよう。
弱点を強みに変えた「Dynamic Island」 巧みな演出で使いやすく
ロック画面における操作パネルは、コンプリケーション表示領域の下に並ぶようになっている。この操作パネルと密接に関係しているのが、先ほども少し触れたDynamic Islandだ。
Dynamic Islandは、iPhone 14 Pro/14 Proのディスプレイのパンチホール周辺にコンパクトに情報を表示し、操作面でも新しいフックとなるよう設計された新機能である。iOS 16では、ありとあらゆる場面でこのエリアが活用されている。ロック中はここに鍵マークが表示されるし、Face IDの判別中も、この領域でアニメーションが動く。さらに、注目してほしい通知を出したい場合は、Dynamic Islandの領域を少しだけ大きくすることによって目を引くようになっている。使ってみると、「結構芸が細かいな」と感心する人も多いだろう。
iOS 16におけるDynamic Islandの活用は、主に3つのカテゴリに分かれている。1つはシステムからの通知だ。Islandの楕円(だえん)形が自然に拡大してアラートや通知が出てくると、そこにアクションボタンも合わせて表示される。Dynamic Island対応機種では今後、着信通知やAirPodsへの接続など、従来は画面の上部にポップアップ表示されていたインフォメーションを表示するようになるという。
筆者が試してみた限り、他にも以下の機能がDynamic Islandに対応していた。
- AirPlay
- CarPlay
- CarKey
- AirDrop
- Apple Watchでのロック解除
- バッテリー残量警告
- 充電状況の通知
- サイレントスイッチの切り替え
- NFCタグの検出
システムに関する通知やモード変更の通知は、ほぼDynamic Islandで賄われると見てよいだろう。
サイズ変化のアニメーションや通知方法の工夫もあるのだろうが、Dynamic Islandによる通知は、従来のポップアップ表示よりも目をひく上、通知される際の情報量も多い印象だ。表示のサイズこそ小さいのだが、縮小表示の品質が高く、視認性も良い。
また、先述の通り、パンチホールは2つに分かれているのだが、その間を埋める領域もうまく使われている。ここに、カメラやマイクにアクセスしている場合はアイコンが表示される。この領域には以下のアプリや機能の動作状況を表示することも可能だ。
- 通話中
- SharePlay
- Apple Music
- タイマー
- マップのナビゲーション
- ボイスメモ
- 画面録画
- インターネット共有の状況
アイコンをタップすると、そのアイコンに関連する機能や詳細設定を表示できる。タップした後に指をホールドする(押さえておく)と、操作パネルを表示することも可能だ。よりインタラクティブな使い方もできる。
アプリの対応状況は?
Dynamic Islandで気になるポイントが、アプリの対応状況である。先述の操作パネルの表示は、「NowPlaying」や「CallKit」といったiOSの標準機能を呼び出している場合は特別な対応は必要ないようだ。
ただ、現時点においてサードパーティー製アプリではDynamic Islandの利用は限定的だ。もう少し厳密にいうと、メジャーなアプリはある程度対応が進んでいるが、日本で使われることが多い一部アプリは対応できていないという状況にある。
Appleが確認したものと筆者が独自に確認したものを総合すると、以下のアプリではDyamic Islandを利用できた。
- NowPlayingを使うアプリ
- Spotify
- Stitcher
- Audible
- Amazon Music
- NPR One
- Overcast
- Pandora
- YouTube Music
- SoundCloud
- CallKitを使うアプリ
- Google Voice
- Skype
一方、以下のアプリでは対応していない。ただし「非対応」といっても、iPhone 14 Proで動作しないという意味ではないので留意したい。
- 音楽アプリ
- AWA
- LINE MUSIC
- コミュニケーションアプリ
- Meta(Facebook) Messenger
- LINE
日本市場での利用率の高さを考えると、ローンチ時にLINEが対応していないのは少々残念だが、特殊な作りをしていなければ簡単に対応できるはずなので、アプリのアップデートを待ちたい。
関連記事
- 「iPhone」「Apple Watch」「AirPods Pro」の“熟成”を選んだApple 現地で基調講演を見て得た実感
Appleが毎年恒例の9月のスペシャルイベントを開催した。2022年は「iPhone」「Apple Watch」「AirPods Pro」の新製品を披露したが、どの製品もある意味で“熟成”を選んだように見える。どのような“熟成”を選んだのか、発表会の現地で知り得たことを交えて紹介する。 - 「連係カメラ」でiPhoneとMacの配信画質が格段にアップ! Webカメラとの決定的な違い
Appleが「WWDC22」で発表した、iPhoneとMacを使った「連係カメラ」機能は、思った以上にビデオ会議や配信などで役立ちそうだ。 - 「iPhone 13」はまたもカメラが劇的進化 大型のプロ用カメラをスマホでどこまで再現できるのか
Appleが「iPhone 13」シリーズを発表。販売台数でいえば、メインはProではない無印の「iPhone 13」だが、注目はやはり「iPhone 13 Pro」におけるカメラ機能の大幅進化だ。今回のモデルチェンジで大型のプロ用カメラにどこまで近づけたのだろうか。 - 新「MacBook Air」や「M2チップ」だけじゃない Appleが3年ぶりに世界中の開発者を集めて語った未来
抽選制ながらも約3年ぶり本社に開発者を招待して行われたAppleの「Worldwide Developer Conference 2022(WWDC22)」。今回は「Apple M2チップ」と、同チップを搭載する新しい「MacBook Air」「MacBook Pro(13インチ)」といったハードウェアの新製品も発表された。発表内容を見てみると、おぼろげながらもAppleが描く未来図が浮かんでくる。 - iPhoneの強みを反映した「Apple M2」登場 Appleの「黄金パターン」に弱点はあるのか?
AppleがMacにおいて自社設計のSoC「Appleシリコン」を採用する動きを強めている。Appleシリコンの展開において重要なのはiPhoneや一部を除くiPadで採用されている「Apple Aチップ」である。それはなぜなのか、ひもといていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.