レビュー

モバイルRyzen搭載の「ONEXPLAYER mini Pro」はどの程度イケてるのか試してみた(3/3 ページ)

多数の新製品が登場している7型のポータブルゲーミングPCに、中国ONE-NETBOOK Technologyの「ONEXPLAYER mini Pro」が加わった。8コア16スレッドのRyzen 7 6800U搭載モデルの実力をチェックした。

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従来モデル以上にパワフルな性能

 まずは3Dの性能を測定する3DMarkによりベンチマークテストを実施した。TDPは28Wの設定だ。こちらについては以前紹介した「ONEXPLAYER mini」と比較していきたい。その結果が下のグラフだ。ONEXPLAYER miniはCPUにCore i7-1195G7を搭載するが、CPUに加え内蔵GPUの差が大きく、ほぼダブルスコアと言ってもいいほどの結果となった。


3DMarkの結果

 続いてテストしたのが「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」だ。こちらもONEXPLAYER miniと比較してみたい。その結果が以下のグラフになる。先ほどの3DMarkの結果と同様に、本機が大きくリードしている。


「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」のテスト結果

 一方、TDPによってどれだけ性能が変化するのか、標準品質/1280×720ピクセルで測定したのが下の結果だ。画面解像度を落としたこともあるが、TDP 10Wでも「やや快適」というスコアとなっている。TDPを下げれば駆動時間も長くなるので、このあたりは参考になるだろう。

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「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」について、TDPを変更しながら測定した

 なお比較的処理が重いタイトルの1つである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」では、TDP 28W/1920×1080ピクセルでテストした。軽量品質と標準品質では「普通」、高品質では「重い」という結果になった、標準品質で十分に遊べるのは喜ばしいところだ。


「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」のテスト結果

 最後に、バッテリーの動作時間をPCMark 10 Battery Profileでチェックした。今回はゲームでの利用を想定してGamingで実施し、TDPは10W/15W/20W/28Wに変更して行っている。

 結果を見ると、TDP 28Wの場合はさすがにバッテリーを消費するため1時間程度になったが、15Wであれば1時間42分という結果だ。

 先ほどテストしたファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークなどを参考にすると、TDP 15W程度でも十分プレイできるスコアだったので、このあたりのTDPを維持しつつプレイすれば、モバイルバッテリの併用しつつゲームのクオリティーを保ちながら長時間のバッテリー駆動も期待できるだろう。もちろん、通常のWindows PCとしてビジネス用途で使うならば、さらに長時間動作する。


PCMark 10 Battery Profile(Gaming)のテスト結果

バッテリーの容量について「Battery Profile」で調べたのがこちらの結果だ。テスト機には設計容量4万8510mWhのバッテリーが搭載されていた

ゲームも仕事もこなせるポータブルゲーミングPC

 ここまで見てきたように、Ryzen版はCPUとGPUのパワーアップもあって、これまでよりも多くのタイトルをスムーズに楽しめるようになったのが分かった。ポータブルゲーム機としてもはもちろん、ONEDOCKINGを使って超小型デスクトップPCのように活用できるのもうれしい。

 Steam DeckなどポータブルゲーミングPCは続々と新モデルが投入され、競争が激化している。価格も高くなりがちだが、本機は16万円台で購入できるモデルもある。小型でいつも持ち歩けるゲーミングPC、たまに仕事でも使うという人なら、選択肢に入れてもよいだろう。

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