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もうただの「時計付き」じゃない! 操作ステータスの“見える化”に対応した「Echo Dot with clock」を試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/3 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、状態表示を目視できるようになった「第5世代Echo Dot with clock」をチェックした。

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 「Echo Dot with clock(第5世代)」は、「Echo Dot(第5世代)」の本体前面にドットマトリクスLEDディスプレイを搭載したモデルだ。Echo Dotに時計付きモデルが登場したのは第3世代のモデルからで、つまり本製品が時計に付きになって3代目ということになる。

 今回の新モデルは、現在時刻を表示できるだけではなく、音量の段階を表示できたり、音楽再生時にはアーティストや曲名を表示できたりするなど、さまざまな機能が追加されている。本稿ではそれらの機能追加を紹介しつつ、細かい使い勝手をチェックしていく。Echo Dotと共通する新機能については、前回のレビューを参照されたい。


Amazonのスマートスピーカー「Echo Dot with clock(第5世代)」。今回試用したカラーはクラウドブルーで、グレーシャーホワイトも用意されている。右奥にあるのは従来の第4世代モデルだ

アルファベットやカナ表示が可能になると何が変わる?

 本製品の大きな目玉は、時計など表示する本体前面のLEDディスプレイが、数字以外も表示できるドットマトリクス仕様に改められたことだ。従来は電卓などによくみられる、数字専用のデジタルフォントが用いられていたが、新しいモデルではドットの採用により、アルファベットに加えてカナも表示できるようになった。

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 こうした目で「見る」仕様は、どちらかというとスマートディスプレイに近い。スマートディスプレイ「Echo Show」シリーズのような大画面は不要でも、ちょっとした情報が視覚的に表示された方が便利な場合は少なからずあり、そうした場合に重宝する。

 従来モデル(第4世代)との違いについては、写真で見ると一目瞭然だ。前モデルのフォントはアルファベットも一応表示はできるものの、基本的には数字専用ということで視認性は高くなかった。それが今回はドット表示に変わったことで、アルファベットの視認性が向上するとともに、これまで非対応だったカタカナについても表示できるようになったというわけだ。


正面にドットマトリクスLEDを備える以外は、同時発表の「Echo Dot(第5世代)」と仕様は同一だ。具体的なサイズは約100(幅)×100(奥行き)×89(高さ)mm、重量は約351gとなる。実測の重量は約348.5gで、Echo Dot(第5世代)の約300.5gと比べると48gの増加だ

第4世代モデル(右)との比較。フォントの種類が異なっていることが分かる

従来の第4世代モデルは、電卓などに多く用いられるデジタル向けのフォントを採用していた

今回の第5世代モデルはドットになってカナなども表示可能になったが、近距離での見やすさは逆に低下している。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac対応で、2.4GHZ/5GHzをサポートする

セットアップ手順はEcho Dotのベースモデルとほぼ同じだが、LED表示にまつわる説明が加わっている(左)。設定画面はベースモデルと同じ項目に加えて「LEDディスプレイ」が追加された(中央)。LEDディスプレイのオプション。完全に非表示にすることも可能だ(右)

 ただし言い替えると、平仮名や漢字には非対応なので、利用には一定の制限がかかる。本製品の売りは音楽再生時にアーティスト名と曲名を表示できることなのだが、これはそれらが「アルファベット」「カタカナ」「数字および一部記号」で構成されている場合に限られる。平仮名や漢字が含まれていた場合は、これらの機能がなかったかのようにスルーされてしまう。

 例えばザ・ビートルズの曲で言うと、オリジナルのアーティスト名と曲名はアルファベット表記か、もしくはカタカナ表記が一般的で、これらは何の問題もなく表示できる。しかし「涙の乗車券」のように、タイトルが邦訳された初期の曲は、曲名が表示できないだけでなく、アーティスト名すらも表示されない。そんな機能すらなかったかのように、しれっと時刻を表示しているので、違った意味で驚かされる。

 まあ考えてみれば、こうした場合に平仮名だけが省かれて「ジョンとヨーコのバラード」が「ジョンヨーコバラード」になってしまうのはおかしいので、この措置自体は妥当なのだが、アーティスト名自体に漢字や平仮名が入っていると、全ての楽曲がタイトルを表示できないことになってしまう。邦楽の場合、そうなる確率は極めて高い。


ザ・ビートルズの「Here, There And Everywhere(Remastered 2009)」。カタカナとアルファベットだけで構成されているので、問題なくLEDディスプレイに表示される

「アンド・ユア・バード・キャン・シング」など、曲名がカタカナでも問題なく表示される

「涙の乗車券」(Ticket To Ride)のようにタイトルが邦訳された初期の曲は、漢字と平仮名が入っているため表示されず、曲名表示機能そのものが存在しないかのようにふるまう。ちょっと“薄情”だ

 ちなみに、製品ページには「アーティスト名・曲名の表示については一部のみ対応」と注釈があるので、これらは事前に織り込み済みのようだ。本製品のバックグラウンドで、対象の文字列に平仮名もしくは漢字が含まれていないかをチェックし、含まれていなければアーティスト名と曲名をスクロールさせ、そうでなければ時計表示を続行するというプログラムが走っていると考えるとちょっと面白い。

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