個人向け「Windows Copilot」が12月1日にやってくる 生成AIはPCの使い方をどう変えるのか?(1/2 ページ)
生成AIを活用したアシスタントツール「Copilot」の個人向け正式版を12月1日にリリースする。具体的にどのような機能が使えるのか。
日本マイクロソフトが、生成AIを活用したアシスタントツール「Copilot」の個人向け正式版を12月1日にリリースする。現在のプレビュー版に引き続き、Webブラウザやアプリからアクセスして利用できるだけでなく、Windows 11に一機能として組み込まれる。これまでのPCの使い方に大きな変化を及ぼす、生成AIの新機能に触れる人口が大きく増えそうだ。では、具体的にどのような機能が使えるのか。
GPT-4ベースのCopilot
Copilotは、人間と会話するような自然な言葉で物事を調べたり、コンテンツを創作したり、アプリの操作を指示したりできる米Microsoftの独自技術だが、ベースとなっているのは「ChatGPT」で一世を風靡(ふうび)した米OpenAIの大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」だ。
2社の協業によって、GPT-4に検索エンジン「Bing」のアルゴリズムを統合したものがCopilotである。ChatGPT(有料版のGPT-4)が2022年8月までの情報しか持ち合わせていないのに対し、CopilotはBingの検索エンジンがWebサイトをクロールしてインデックスした情報を使って最新の出来事に関する質問にも回答を導き出せるのが特徴となっている。
「Copilot」でできること
Copilotが主にできることは「チャット形式で検索」「情報を要約」「画像生成」「創作」の4つだ。
例えば、従来のWeb検索は必要な情報に関連するキーワードをユーザーが考えて入力し、表示された検索結果を1つずつ読んで情報をたどっていくのが当たり前だった。Copilotは調べた内容を要約した1つの文章を表示するため、ユーザーはさっと読んで内容を把握できる。
また、調べた結果がユーザーに合わせてカスタマイズされる点も大きな強みだ。例えば、ビジネスメールの書き方を従来の検索エンジンで調べた場合、解説サイトなどを見ながら自身の状況に合わせて作文するのが当たり前だが、Copilotにメールを書く背景の情報なども投げかければ、全てを反映した状態で例文が返ってくる。これは従来の検索手法とは大きく異なる体験になる。
他にも写真とテキストによる質問を同時に投げかけて、情報を探すマルチモーダルな使い方もある。例えば、電源プラグの写真と共に「この電源プラグは米国で使える?」と質問すると、Copilotがプラグの形状を見分けて返答してくる。
調べたい内容があやふやで検索キーワードが思い付かないケースにも強い。Copilotはユーザーが誰かに質問するように周辺情報を投げかけることで、答えにたどり着ける可能性が高い。
さらに表示した情報の真偽が確かめられるように、回答の文章にはアンダーラインが引かれ、情報ソース先をたどれる。
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