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AMDがモバイル向け「Ryzen 8040シリーズ」をリリース Ryzen AIのパフォーマンスを改善(非対応モデルもあり)

AMDがモバイル向け「Ryzen 8040シリーズ」のラインアップを発表した。Ryzen 7040シリーズのマイナーチェンジ版だが、CPUコアとAIプロセッサの処理パフォーマンスを改善したことが特徴だ。

 AMDは12月6日(米国太平洋時間)、モバイル向けAPU(GPU統合型CPU)「Ryzen 8040シリーズ」を発表した。PCメーカーへの出荷は既に開始しており、搭載するノートPCは2024年第1四半期(1~3月)から順次発売される予定だ。

Ryzen 8040シリーズの概要

 Ryzen 8040シリーズは、現行の「Ryzen 7040シリーズの」改良版で、CPUコアは「Zen 4アーキテクチャ」、GPUコアは「RDNA 3アーキテクチャ」、そしてAIプロセッサ(NPU)は「XDNAアーキテクチャ」で変わりないものの、特にCPUコアとAIプロセッサのパフォーマンスを改善している。


Ryzen 8040シリーズは、Ryzen 7040シリーズの改良版という位置付けだ

 同等のRyzen 7040シリーズと比較した場合、オンデバイスでのAI(人工知能)処理スループットは最大で1.4倍に達している。ただし、旧シリーズと同じく一部にNPUを搭載しないモデルも存在するので注意したい。

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Ryzen AI(AIプロセッサ)搭載構成の場合、Ryzen 7040シリーズの同等APUと比べて処理スループット最大で1.4倍となっている。ただし、Ryzen AIに非対応のモデルもある

最上位モデルの「Ryzen 9 8840HS」は、競合の「Core i9-13900Hと比べてもあらゆる面でパフォーマンスを強化しているという

Ryzen 8040シリーズのラインアップ

 今回のRyzen 8040シリーズは、ハイパフォーマンス(ゲーミング/クリエイター)向けの「HSシリーズ」と、メインストリーム向けの「Uシリーズ」が同時に登場する。Uシリーズの下位モデルはNPU非搭載(Ryzen AI非対応)となることには注意したい。

HSシリーズ

  • Ryzen 5 8640HS
    • CPUコア:最大4.9GHz/6コア12スレッド
    • GPUコア:Radeon 760M
    • TDP(熱設計):20~30W
  • Ryzen 5 8645HS
    • CPUコア:最大5GHz/6コア12スレッド
    • GPUコア:Radeon 760M
    • TDP(熱設計):35~54W
  • Ryzen 7 8840HS
    • CPUコア:最大5.1GHz/8コア16スレッド
    • GPUコア:Radeon 780M
    • TDP(熱設計):20~30W
  • Ryzen 7 8845HS
    • CPUコア:最大5.1GHz/8コア16スレッド
    • GPUコア:Radeon 780M
    • TDP(熱設計):35~54W
  • Ryzen 9 8945HS
    • CPUコア:最大5.12Hz/8コア16スレッド
    • GPUコア:Radeon 780M
    • TDP(熱設計):35~54W

Uシリーズ

  • Ryzen 3 8440U(Ryzen AI非対応)
    • CPUコア:最大4.7GHz/4コア8スレッド
    • GPUコア:Radeon 740M
    • TDP(熱設計):15~30W
  • Ryzen 5 8540U(Ryzen AI非対応)
    • CPUコア:最大4.9GHz/6コア12スレッド
    • GPUコア:Radeon 740M
    • TDP(熱設計):15~30W
  • Ryzen 5 8640U
    • CPUコア:最大4.9GHz/6コア12スレッド
    • GPUコア:Radeon 760M
    • TDP(熱設計):20~30W
  • Ryzen 7 8840U
    • CPUコア:最大5.1GHz/8コア16スレッド
    • GPUコア:Radeon 780M
    • TDP(熱設計):15~30W

Ryzen 8040シリーズのラインアップ

2024年内にはXDNA 2アーキテクチャ搭載のAPUが登場

 今回の発表に合わせて、AMDはNPU搭載のモバイル向けAPUのロードマップを明らかにした。

 Ryzen 8040シリーズの次世代は「Strix Point」(開発コード名)となる。出荷は2024年内を予定しているという。Strix Pointは、次世代の「XDNA 2アーキテクチャ」のNPUを搭載する予定で、「生成AIのパフォーマンスは、XDNAアーキテクチャ比で最大3倍」としている。

 ただし、CPU/GPUコアを含めて、どのような構成となるのかは不明だ。


Ryzen 8040シリーズの次世代APU「Strix Point」は、2024年内の出荷を見込んでいる

Strix PointはXDNA 2アーキテクチャのNPUを搭載し、生成AIのパフォーマンスが最大3倍になるという

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