Ryzen 7 7840Uの快適さを気軽に持ち運べる! 600g切りのポータブルPC「ONEXFLY」を試す(4/4 ページ)
ONE-NETBOOK Technologyの「ONEXFLY」は、最新のAPU「Ryzen 7 7840U」を搭載する軽量設計のポータブルゲーミングPCだ。同スペックのポータブルゲーミングPCよりも少し値は張るが、元々のスペックがより高い上に小型/軽量設計で持ち運びやすいことが特徴だ。今回は1TBストレージモデルの実力をチェックしていこう。
サイバーパンク2077
ONEXFLYで更にヘビーなゲームは楽しめるのだろうか――超重量級のAAAタイトル「サイバーパンク2077」のゲーム内蔵ベンチマークモードで検証してみよう。
今回は、フルHD解像度のフルスクリーン表示におけるプリセット画質「中」「高」「ウルトラ(最高)」でフレームレートを計測した。本タイトルはAMDの超解像技術「FidelityFX Super Resolution(FSR) 2.0」に対応しているため、FSRをオフにした状態(=ネイティブ解像度)と、「ウルトラパフォーマンス(=フレームレート最重視)」設定でオンにした場合の結果も併記する。
- 中設定
- ONEXFLY(FSRオフ):32.22fps
- ONEXFLY(FSRオン):70.45fps
- ROG Ally(FSRオフ):29.04fps
- ROG Ally(FSRオン):59.46fps
- 高設定
- ONEXFLY(FSRオフ):26.13fps
- ONEXFLY(FSRオン):51.47fps
- ROG Ally(FSRオフ):24.17fps
- ROG Ally(FSRオン):44.94fps
- ウルトラ設定
- ONEXFLY(FSRオフ):22.64fps
- ONEXFLY(FSRオン):48.47fps
- ROG Ally(FSRオフ):22.87fps
- ROG Ally(FSRオン):42.93fps
トップクラスの超重量級タイトルではあるものの、画質を「中」に落とした上で、FSRを有効にすると60fpsを上回るフレームレートで遊べる。思ったよりもパワフルなので、TDPを上げるなど少し“無理”をすれば、結構快適にプレイできそうだ。
Microsoft Flight Simulator
もう1つ、重量級タイトルである「Microsoft Flight Simulator」における平均フレームレートも計測してみよう。今回はディスカバリーフライトから「ニューヨーク」を選択し、2分間のAI操縦を行った際の平均フレームレートを「CapFrameX」を使ってチェックした。
描画解像度はフルHDとし、グローバルレンダリング品質を「ローエンド」「ミドル」「ハイエンド」「ウルトラ」の4パターンでレートを測ることにする。レンダリングスケールなどはデフォルトのままで、垂直同期は「オフ」にしている。結果は以下の通りだ。
- ローエンド設定
- ONEXFLY:47.0fps
- ROG Ally:43.6fps
- ミドル設定
- ONEXFLY:29.1fps
- ROG Ally:30.6fps
- ハイエンド設定
- ONEXFLY:21.9fps
- ROG Ally:23.0fps
- ウルトラ設定
- ONEXFLY:15.0fps
- ROG Ally:16.6fps
サイバーパンク2077と比べると、Microsoft Flight Simulatorはプレイ中の“動き”が少ない。そのこともあって、平均で30fpsを確保できれば十分快適にプレイできる。
ONEXFLYではフルHDだとミドル設定で平均30fpsにやや届かず、ローエンドに下げると平均47fpsを出すことができた。このタイトルは画質の美しさもゲームを楽しむための重要なファクターであると思うので、ミドル設定でプレイするのがいい塩梅ではないかと思う。
ストレージ性能をチェック!
本機は、PCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDを備えている。今回の評価機には、メーカーオリジナルの「ONEXPLAYER Q3」というSSDが搭載されていた。
このモジュールのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」を使って計測したところ、以下の通りとなった。
- シーケンシャル(SEQ1M Q8T1):読み出し毎秒7111.19MB/書き込み毎秒6241.57MB
- ランダム(RND4K Q32T1):読み出し毎秒714.05MB/書き込み毎秒449.11MB
PCI Express 4.0 x4接続ということもあり、読み書きいずれも十分に高速だ。大きなゲームデータの読み出しもサクサク行えるだろう。
バッテリー駆動時間はどう?
ONEXFLYは、比較的容量の大きい1万2600mAh(3.85V/48.5Wh)のバッテリーを搭載している。実際にどのくらいのバッテリー駆動時間があるのか、PCMark 10のバッテリーテスト機能を使って、実利用に近い状況での連続稼働時間を計測した。
シナリオは「Modern Office」と「Gaming」を利用し、ディスプレイ輝度50%、音量50%にした上で、バッテリー残量が100%(満充電)から4~5%(強制休止状態) になるまでの時間をチェックした結果、以下の通りとなった。
- Modern Office:6時間44分
- Gaming:1時間47分
ちなみに、FF14ベンチマークをフルHD解像度/最高設定でループ再生して強制休止するまでの時間も測ったところ、こちらも1時間45分程度だった。中負荷のPCゲームであれば、2時間弱程度のバッテリー持ちと考えて良さそうだ。
もっとも、ONEXFLYのようなポータブルゲーミングPCで快適にプレイしようと思うと、もう少し軽量なタイトルだったり、負荷が軽くなるように設定を下げてプレイしたりすると思う。実用では2時間強程度になるのではないかと考えられる。
特に「大容量ゲーム」を遊ぶなら良い選択肢
ONEXFLYは、7型台のポータブルゲーミングPCとしては小ぶりで軽量設計であることが特徴だ。バッテリー容量も大きめで、USB Standard-A端子を搭載していることから実用性(完成度)は比較的高い。メモリとストレージの容量に“ゆとり”を持たせていることもうれしい。
強いて惜しい点を挙げるとすると、指紋認証が搭載されていないこと、高リフレッシュレートディスプレイなのに表示同期技術「AMD FreeSync」に対応していない2点が挙げられる。特に指紋認証については、Windowsのログイン時に小さい画面でパスワードやPIN(暗証番号)を入力する煩わしさを省く意味でも搭載してほしかったと思う。
ROG Allyと比べると、どうしても「14万9800円」という価格に目が行ってしまうが、搭載するメモリやストレージの大きさを考えると十分に納得できる。サイズや重量面でも優位に立つので、「始めから“つよつよ”なモデルが欲しい」という人は、第一候補として挙げてもいいのではないだろうか。
関連記事
サイズと軽さで他社に対抗するポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」と、ユニークな革張りの超小型PC「OneMix5」を初披露 中国One-Netbook Technology
中国One-Netbook Technologyの新しいポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」と、革張りの超小型PC「OneMix5」が披露された。ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」や超小型PC「OneMix5」の投入を予告――中国One-Netbook Technology
中国One-Netbook Technologyの新モデルが、予告ページで公開された。また6月29日は新製品発表会が行われ、同社社長が来日するという。ASUSの「ROG Ally」は良コスパで他のポータブルゲーミングPCとはひと味違うドッキング機能を備えた1台だった
ASUS JAPANが6月14日に発売したポータブルゲーミングPC「ROG Ally」の上位モデルは、“エライ”よく売れているようである。本当に“アリー”な選択肢なのかどうか、ガッツリとレビューしてみよう。スライドキーボード付きポータブルゲーミングPC「AYANEO SLIDE」が日本上陸 2000年代のモバイル端末をオマージュ
AYANEO SLIDEは中央にあるディスプレイを上部にスライドさせると、物理キーボードが姿を現すのが最大の特徴だ。Lenovo、着脱型コントローラーを備えた8.8型ポータブルゲーミングPC「Legion Go」を発表
Lenovoは、8.8型ポータブルゲーミングPC「Lenovo Legion Go」の発表を行った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.