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Ryzen 7 7840Uの快適さを気軽に持ち運べる! 600g切りのポータブルPC「ONEXFLY」を試す(3/4 ページ)

ONE-NETBOOK Technologyの「ONEXFLY」は、最新のAPU「Ryzen 7 7840U」を搭載する軽量設計のポータブルゲーミングPCだ。同スペックのポータブルゲーミングPCよりも少し値は張るが、元々のスペックがより高い上に小型/軽量設計で持ち運びやすいことが特徴だ。今回は1TBストレージモデルの実力をチェックしていこう。

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ベンチマークテストでパフォーマンスをチェック!

 ここからは、ベンチマークテストを通してONEXFLYの実力をチェックしていく。今回は、バッテリーテスト以外はACアダプターを接続した上で、OneXConsoleでTDPを「30W」(APUの標準設定+2W)に設定して実施した。

 ONEXFLYが搭載しているRyzen 7 7840Uは、Zen 4アーキテクチャのCPUコアを8基16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)と、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを12基(2.7GHz)搭載している。参考値として、過去に筆者が実施した「ROG Ally(Ryzen Z1 Extremeモデル)」のスコアも併催する。

CPU-Z
「CPU-Z」で見たRyzen 7 7840UのCPU情報
GPU-Z
「GPU-Z」で見たRyzen 7 7840UのGPU(Radeon 780M)情報

CINEBENCH R23

 まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストの結果は以下の通りである。

  • マルチコア:1万3332ポイント
  • シングルコア:1779ポイント(MP Ratio:7.49倍)

 1〜2世代前のデスクトップ向けミドルレンジCPU並みのスコアが出ている。モバイル向けCPUもここまで来たかという隔世の感もある。

CINEBENCH R23
CINEBENCH R23の結果

PCMark 10

 続いて、PCの総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の結果を見ていこう。

  • 総合:6366ポイント
  • Essentials(アプリ計算、Web会議、Webブラウズ):9660ポイント
  • Productivity(表計算、ワープロ):8786ポイント
  • Digital Content Creation(写真/動画の編集やレンダリング):8250ポイント

 実用面を考えると、いずれも必要十分なポイントを記録している。キーボードやマウス、可能であれば外付けディスプレイも用意すると、オフィスワークや簡単な写真や動画の編集も十分にこなせそうだ。

PCMark 10
PCMark 10の結果

3DMark

 次に、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみた。主要なテストの結果は以下の通りだ。

  • Night Raid(DirectX 12ベース/1920×1080ピクセル描画):2万7032ポイント
  • Fire Strike(DirectX 11ベース/1920×1080ピクセル描画):7246ポイント
  • Time Spy(DirectX 12ベース/2560×1440ピクセル描画):3039ポイント
  • Port Royal(リアルタイムレイトレーシングテスト):1541ポイント

 GPU統合型CPUとしては、かなりスコアは高い。軽量環境を想定した「Night Raid」のスコアは2万6000ポイントを超えている。タイトルや設定にもよるが、HD解像度(1280×720ピクセル)環境だけでなく、フルHD解像度(1920×1080ピクセル)でもある程度快適なプレイが望めそうだ。

 Radeon 780MはRDNA 3アーキテクチャなので、ハードウェアベースのリアルタイムレイトレーシング処理に対応している。ただし、Port Royalのスコアからも分かる通り、独立GPUと比べると「おまけ」程度だと考えるべきだろう。

3DMark
3DMarkの結果

FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク

 実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も合わせて実行した。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)のフルスクリーンで、結果は以下の通りだ(FF14ベンチマークは平均フレームレートも併記する)。

  • FF14ベンチマーク
    • 標準品質(デスクトップPC):6209ポイント/47.6fps(やや快適)
    • 高品質(デスクトップPC):5601ポイント/40.4fps(普通)
    • 最高品質:5342ポイント/40fps(普通)
  • FF15ベンチマーク
    • 軽量品質:5067ポイント(やや快適)
    • 標準品質:3873ポイント(普通)
    • 高品質:2922ポイント(やや重い)

 FF14ベンチマークでは、標準品質(デスクトップPC)が6209ポイントで「やや快適」の評価となっている。ただ、ROG Allyと比べると明らかにスコアが低い。Ryzen 7 7840Uが搭載しているRadeon 780Mと、Ryzen Z1 Extermeが搭載しているGPUコア(Radeon Graphics)は仕様がおおむね同一なのだが、ここまで差が出るのは予想外だった。

 解像度よりも品質、また快適さを求めるなら、解像度をHD(1280×720ピクセル)に落とせば、快適に遊べるはずだ。

FF14ベンチマーク
FF14ベンチマークの結果
FF15ベンチマーク
FF15ベンチマークの結果

 超重量級のゲームタイトルは遊べるのだろうか。この辺りも気になるので試してみる。

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