ポータブルゲーミングPCのポート不足はこれで解消! アイ・オーの「USB Type-Cドック」を使って分かったこと:先行レビュー(2/2 ページ)
最近はやりのポータブルゲーミングPCの機能を拡張したい――そんな人のためのアイテムがアイ・オー・データ機器から登場する。発売に先駆けて試してみたので、その様子をお伝えしたい。
実際につないでみて分かったこと
製品情報や取扱説明書を見ると、本製品はポータブルゲーミングPCの中でもROG AllyやSteam Deckで使うことを推しているように思える。
事実、ROG AllyやSteam Deckとつないで使ってみると、純正のドック(マルチポートハブ)であるかのようにスッキリとつないで使える。本製品から伸びるケーブルにも余裕がある。
ただ、世の中にはROG AllyやSteam Deck以外にもポータブルゲーミングPCは存在する。手元にあるものを代表して「Legion Go」をつないでみると、意外な事実が分かった。
Legion GoのUSB Type-C(USB4)端子は、本体の上部と下部に1基ずつ存在する。US3C-GCHD/HNはポータブルゲーミングPCの本体上部にあるUSB Type-C端子に接続することを前提としており、先述の通りケーブル長は約20cmだ。
ROG AllyやSteam Deckは、本体上部のUSB Type-C端子が本体正面の右寄りにある。US3C-GCHD/HNのUSB 3.2 Gen 2 Type-Cケーブルも本体の右寄りから出てくるため、特に問題なく接続できる。
一方で、Legion Goの本体上部にあるUSB Type-C端子は本体正面の左寄り、少し大げさにいうと左端に近い場所にある。US3C-GCHD/HNが想定していると思われる位置とは逆なのだ。
まず、Steam Deckと同じように本製品の真ん中にLegion Go本体を据えて、USB 3.2 Gen 2 Type-Cケーブルをつなげようとした。すると案の定ケーブルの長さが微妙に足りない。
本体上部のUSB4端子が左寄りのオフセットされているLegion Goの場合、左右対称となるバランスで本製品に置くと、USB 3.2 Gen 2 Type-Cケーブルの長さがわずかに足りない。本当に“わずか”だが足りていない
そこでLegion Goを右側にオフセットして設置してみると、ケーブルのコネクターをしっかりとはめることができた。正面から見ると左右のバランスが多少気になるものの、本製品はしっかりとLegion Goをホールドできている。
もちろん、本製品のマルチハブ機能は問題なく動作する。キーボードやマウス、ディスプレイをつなげば、Webサーフィンや事務作業、ゲームも快適に楽しめる。
このように、ポータブルゲーミングPCのUSB Type-C端子の位置によっては、本製品の取り回しに難が生じる場合もある。スタンド機能がしっかりしているので、多少のオフセット設置でもPC本体はしっかりと固定できるが、人によってはその“格好”が気になるかもしれない。
本製品がケーブル着脱式で長いものに交換可能だったり、あるいはケーブルがもう少し長ければ、このような問題は生じないだろう。しかし、全ての環境に最適化しようとすると、手頃な価格感を実現できなくなる可能性もある。ここは「トレードオフ」の要素だろう。
ポータブルゲーミングPCのために本製品を購入する際は、PC本体のUSB Type-C端子の位置を事前に確認しておきたい。
余談だが、Legion Goには自立スタンドも付いている。「オフセットになるなら、本製品を純粋なマルチハブとして使うとどうかな?」と思い、試して見たが、本製品をスタンドとして使った方が収まりが良かった
コスパの良さが光る USB Type-C搭載スマホやタブレットでも便利
留意すべき事項は幾つかあるものの、US3C-GCHD/HNは高機能の割に手頃なUSBドッグであることは間違いない。
ポートが不足しがちなポータブルゲーミングPCと組み合わせて使うと、ゲームを含めたさまざまな用途における利便性は向上する。サイズや重量も過剰ではないため、ポータブルゲーミングPCと一緒に持ち運ぶのも苦にはならない。個人的にはケーブルを着脱できる設計にしてほしかったが、そこはコストとの兼ね合いもあって難しいのだろう。
ポータブルゲーミングPCと組み合わせて使うことを前提にしている本製品だが、個人的にはタブレット端末やフォルダブルスマートフォンと組み合わせて使うのも“アリ”だと感じた。特に映像出力に対応する機種なら、PCライクに使うために1つ用意しておいてもいいかもしれない。
冒頭でも触れたが、本製品の発売は3月下旬を予定している。気になる人はECサイトでチェックしてみてほしい。
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