ChromeOS採用モデルも新たに投入 創業31年目を前に挑戦を続ける小松社長のこだわり:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(3/3 ページ)
ポストコロナ時代に入り、業界を取り巻く環境の変化スピードが、1段上がった。そのような中で、IT企業はどのようなかじ取りをしていくのだろうか。各社の責任者に話を聞いた。大河原克行氏による経営者インタビュー連載のマウスコンピューター 後編をお届けする。
初のChromeOS採用モデルも投入 31年目の進化
―― 31年目以降のマウスコンピューターは、どんな進化を遂げますか。
小松 この30周年をきっかけに、社内にはいろいろなアイデアが生まれましたから、まずは30周年期間中にできなかったことを、31年目にやっていきます(笑)。社員の間にも、新しいことを考える、あるいは新しいことに挑戦するという姿勢が生まれていますし、同時に、会社に対して意見を言うという文化も定着しています。この環境を生かしていきます。
30周年は挑戦する1年でしたが、31年目も引き続き挑戦する1年になります。もっとも、地道に真摯に取り組んでいくという姿勢は、これまでと変わりません。カテゴリーごとに用意したブランドをそれぞれ強化し、コールセンターでは掲げた目標のさらなる達成に挑むことで、より安心してPCを利用していただけるようにします。
例えば、コールセンターでは平均応答時間では目標値には達していますが、全日に渡ってこれが達成されているわけではありません。どの時間帯であっても、どこからでも、すぐに応答することができるように改善や工夫をしていくことになります。
修理日数についてもさらに短縮し、即日修理の比率を高めることで、お客さまが不便な時間を短くしたいと思っていますし、それと同時に修理品質も高めていきます。3カ月以内の再入荷率や、同一現象での不具合が発生しないように、しっかりとした修理を行えるように改善します。
修理の場合には、特定の周辺機器を接続したり、特殊な使い方をした場合にだけ不具合が発生したりといったことがあり、修理現場では不具合が再現できずに修理を完了してしまう場合もあります。情報共有などを徹底するなど、地道な努力で解決していくことになります。
―― これまでになかった新たな製品は予定していますか。
小松 現時点でお話できるものとして、新たなGIGAスクール構想向けに、Windows搭載の2in1タブレットPCの後継モデル(MousePro T1-DAU01BK-A)を投入します。ここでは、ペンの充電方法にも工夫を凝らしました。また、教室の机の上から落としても壊れないように頑丈さも両立させています。
さらに、当社としては初めてChromeOSを搭載した製品(mouse Chromebook U1-DAU01GY-A)も投入します。これらは基本的には教育分野向けの製品ですが、ECサイトを通じて個人が購入することも可能になる予定です。
―― 30周年では、30個の新たな挑戦となりましたが、31周年では31個に挑戦ということになりますか(笑)。
小松 そこまでやるとさすがに疲弊してしまうので、少しメリハリはつけようとは思っています。年間31個はさすがに多いと思いますが、10個じゃ少ないと思っています(笑)。1年では解決できないような時間がかかる大きなテーマにも挑戦していきたいですね。
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