「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」は驚きの内蔵GPU性能に メモリ帯域が当初発表から“倍増”:IFA 2024(3/4 ページ)
IntelがLuna Lakeこと「Core Ultra 200Vプロセッサ」を発表した。Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)のモバイル向けモデルという位置付けだが、どのような特徴があるのだろうか。ドイツ・ベルリンで開催された発表会で得られた情報をもとにまとめた。
NPUの性能は最大48TOPS ついに「Copiot+PC」対応へ
IntelのAI PC用プロセッサとして、Core Ultra 200Vプロセッサは2世代目となる。競合の動向もあってか、本プロセッサではAIアクセラレーション機能にもかなり力が入っている。
先述したXe2アーキテクチャのGPUコアでは、ピーク時で67TOPSのAI処理性能を確保。CPUコアでもVNNI系やAVX系命令セットを活用することで、ピーク時で5TOPSのAI処理性能を得られる。
さらに、Core Ultra 200Vプロセッサでは、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)よりも世代の新しい推論アクセラレータ「NPU4」が搭載されており、5基搭載モデルでは40TOPS、6基搭載モデルでは47~48TOPSのピーク処理性能を備えている。
Core Ultra 200Vプロセッサは、GPU/NPU/CPUを合算したピーク処理性能が最大で120TOPSにもなる。ただし、それぞれのピーク性能を合算することは、それほど大きな意味を持たない。あくまでも、それぞれの演算ユニットにおけるピーク性能に注目したい
画像生成AI「Stable Diffusion 1.5」のパフォーマンスをCore Ultra 9 288VとSnapdragon X Elite X1E-80-100で比較。Snapdragon X EliteのNPUはFP16精度の実行はできないため「DNR(実行不可)」となっている(短いほど高速)
Core Ultra 200VプロセッサのNPUのピーク性能は、5月にMicrosoftが発表した「新しいAI PC(Copilot+ PC)」の性能要件である「40TOPS以上」を満たしている。よって、PC業界では「Lunar Lake(Core Ultra 200Vプロセッサ)搭載ノートPCはCopilot+ PCになるのか?」という点に注目が集まっていた。
今回の発表会ではMicrosoftのパバン・ダブルリ氏(Windows+デバイス担当コーポレートバイスプレジデント)が登壇し、Core Ultra 200Vプロセッサ搭載ノートPCを11月をめどにCopilot+ PCとしてサポートすること発表した。
ゲストとして登壇したMicrosoftのパバン・ダブルリ氏(Windows+デバイス担当コーポレートバイスプレジデント)は、Core Ultra 200VプロセッサのNPU4が最大48TOPSの性能を備えており、Copilot+ PCの要件を満たしていることに言及した
Core Ultra 200Vプロセッサ搭載のノートPCについては、11月以降に提供されるWindows UpdateでCopilot+ PCの機能が提供(追加)される。このことが発表されると、会場内には拍手が湧き起こったのだが、特に大きな拍手はIntelスタッフたちが行っていたのが印象的だった
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