自分の庭のように使ってもらいたい──ソニービル跡地「Ginza Sony Park」が単なるショールームではない理由(4/4 ページ)
Ginza Sony Parkを運営するソニー企業の社長で、Ginza Sony Park Project主宰の永野大輔氏に、Ginza Sony Parkの狙いを聞いた。
ターゲットの客層はあえて絞らない
Ginza Sony Parkは、ターゲットとしている特定の層はおらず、銀座への来街者全員が対象だという。永野社長は「銀座の街歩きに疲れたときに気軽に休憩ができる場所であり、思い思いに過ごせる場所として利用してもらいたい」と説明する。
その一方で、Ginza Sony Parkで開催されるプログラムについては、それぞれの目的に応じてターゲット層が設定される。
例えば、1月26日から開催する第1弾プログラムの「Sony Park展 2025」では、30歳以下の若い世代の来場を期待しており、永野社長は「10年先のソニーファン作りを目指す。Ginza Sony Parkでの体験を、My First Sonyの体験にしてもらいたい」と抱負を述べた。
今回の「Sony Park展 2025」のような複数のフロアを使用した大規模なプログラムは、年4回程度の開催を想定している。その他に、ソニーグループの各企業や外部企業に対して、フロアを貸し出すといったプログラムを見込み、年間では10回のアクティビティー開催を予定している。稼働率は6割程度とし、「残り4割は、公園としての余白を維持する」という運営方針もある。
Ginza Sony Parkの収益は、プログラムの実施を通じたフロアの利用料や企画料、壁面への広告掲示などとなり、多くはソニーグループの各社から得ることになりそうだ。
だが、Ginza Sony Parkでは、ソニーの製品やコンテンツ、サービスを展示しないプログラムもある。それでもアンケートを行うと、「ソニーらしい」という評価が挙がるという。
「銀座の一等地を公園にするという、人がやらないことをやるのが、ソニーらしさにつながっている。ソニーの製品、コンテンツ、サービスを展示しなくても、ソニーらしさは失わないことが分かった。その点では、ソニーブランドの発信に貢献することができている」と自信を見せる。
そして、永野社長はこんなに風にも語る。
「12年間に渡るGinza Sony Park Projectが完了し、いよいよゴールテープを切ることになると思っていたが、その感覚がない。Ginza Sony Parkはプラットフォームであり、そこで何をやるかが重要だ。しかも、やりたいことがたくさんありすぎる。これからがスタートになる」
ソニービル時代の「銀座の庭」は10坪であった。これが、Ginza Sony Park Projectでは、延床面積1320坪となり、「銀座の公園」として、その役割が132倍に広がる。
Ginza Sony Parkの銀座の街に、どんな役割を及ぼすのか、そこからどんな発信が行われるのか。これからの動きが注目される。
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