GeForce RTX 50シリーズは動画エンコーダー/デコーダーも進化 「4:2:2フォーマット」に対応して書き出しが110分→10分に(2/2 ページ)
ハイエンドモデルを皮切りにまもなく発売される「GeForce RTX 50シリーズ」搭載のグラフィックスカード。同シリーズは特に動画を取り扱うユーザーにも恩恵をもたらす。
従来の「4:2:2」エンコードはCPUベースにせざるを得なかった
NVIDIAのGeForceシリーズには、ハードウェアベースの動画エンコーダー「NVENC」と、同じくハードウェアベースのデコーダー「NVDEC」が搭載されている。GeForce RTX 40シリーズの時点でNVENCは「第8世代」、NVDECは「第5世代」を搭載している。
第8世代NVENC/第5世代NVDECでは、H.264(MP4)/H.265(HEVC)コーデックにおいて「4:4:0」「4:4:4」フォーマットのエンコード/デコードをサポートする。これらのフォーマットであれば、対応アプリにおいてハードウェアによるエンコード/デコードの支援を受けられる。
一方、第8世代NVENC/第5世代NVDECは、肝心のH.264/H.265コーデックの4:2:2フォーマットに対応していない。H.265/H.265コーデックの動画を再生したり書き出したりする場合でも、4:2:2フォーマットの場合はGPUによるデコード/エンコードができなかった。つまり、CPUを使わざるを得なかったのだ。
NVIDIA製GPUのNVENC/NVDECは、対応動画フォーマットをWebサイトで確認できる。GeForce RTX 40シリーズにおけるNVENCの対応コーデックを見てみると、そもそもH.264/H.265の4:2:2フォーマットの記載がないので、対応できていないことが察することができる(NVDECも同様)
ついに「4:2:2」に対応したNVENC/NVDEC
GeForce RTX 50シリーズでは、NVENCが「第9世代」に、NVDECが「第6世代」となった。今回、どちらも4:2:2フォーマットのH.264/H.265コーデックにネイティブ対応したことで、対応アプリで4:2:2フォーマットを扱う際のCPU負荷の軽減が期待される。エンコードについては、大幅な時短が期待される。
NVIDIAが「DaVinch Resolve 19」の新NVENC/NVDEC対応テスト版で「GeForce RTX 5090」と「Core i9-14900K」の4K(3840×2160ピクセル)/60fpsの4:2:2動画を書き出すテストをしたところ、所要時間を1時間50分(110分)から10分まで短縮できたという。
GeForce RTX 5090は、第9世代NVENCを3基、第6世代NVDECを2基搭載している。4:2:2フォーマットのハードウェアエンコード/デコードに対応したことで、CPUに対する負荷を大幅に軽減できる
映像出力面も強化
GeForce RTX 50シリーズでは、映像出力を担う「ディスプレイエンジン」も強化されている。先代のGeForce RTX 40シリーズでは「DsiplayPort 1.4a」に対応していたのに対し、本シリーズでは「DisplayPort 2.1」に対応している。
DisplayPort 2.1ではUHBR20(最大20Gbps伝送)をサポートしており、DSC(データ圧縮)を併用した場合は最大で4K/480Hzまたは8K(7680×4320ピクセル)/165Hzでの映像出力が可能だ。将来的により高解像度/高リフレッシュレートのディスプレイにも対応できる。
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