OpenAIのサム・アルトマンCEOが日本で語った「ChatGPT」の未来像 「あと10年で世界は激変する」の真意:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/5 ページ)
ソフトバンクグループとの合弁会社立ち上げに合わせて、OpenAIのサム・アルトマンCEOが来日した。東京大学でのイベントにサプライズ登壇した同CEOから話を聞くことができたので、その時の話題をまとめる。
今後のGPTはどのように進化するのか?
一方で、さまざまな質疑応答を通して、アルトマンCEOは「GPT-5(仮)以降の開発では、進化の方向性が従来とは異なるようになる」になるとも話している。
OpenAIがGPT-3/4で挑戦していたのは、「事前学習について複雑かつ大規模にしていくと、どうパラダイムが変化していくか?」というテーマだった。規模が大きくなればなるほど、AIとしてのLLMは賢くなる。しかし、当然ながら求められる演算能力も高くなってしまう。
それに対して、GPT-5(仮)や「GPT-6(仮)」は、強化学習やファインチューンの手法を工夫し、新しいアルゴリズムを導入することに重点を置くという。その基礎となるのが、OpenAIが「OpenAI o3-mini」などで例示している推論能力を持つAIモデルだ。物理学、生物学など、特定のジャンルにおける推論能力を高めることで、これまで知られていない新しい知見を発見していくようなものになると、アルトマンCEOは見ているようだ。
推論能力を持つAIモデルが“どこに”向かうのか、“どのように”進化するのか――アルトマン氏などOpenAIの開発者たちは、常に思索をめぐらせているという。
「最高のAIモデルが登場することで、新しいアルゴリズムや新しい科学的発見が可能になるかもしれません。“推論”AIモデルは、まだ生まれたばかりです。モデルのスケール拡大が急速に進んでいるので、次の10年で劇的に進化する可能性があります」(アルトマンCEO)
アルトマンCEOは「ChatGPT」などのAIサービスは、これまでのような「会話型で質問に答える」というものから、「自律的に問題解決に当たるエージェント」へと変化し、AI自身がタスクをこなしていく方向に向かっているとも語る。
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