シェアNo.1のレノボは「Windows 10 EOS」「Next GIGA」「AI」にどう挑む? 檜山社長が説明(2/4 ページ)
レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが、2025年度の事業戦略説明会を開催した。レノボ・ジャパンの檜山太郎社長は、どのようなことを語ったのだろうか。
AIのためのデバイスを一気通貫で提供
2025年度の取り組みでは「AI(人工知能)」も重点分野に据えている。グローバルのLenovoグループでも新たなメッセージとして「Smarter AI for all」を打ち出しており、日本でも日本市場に合わせた形で展開することになる。
檜山社長は「この1年間は、AIの広がりに向けて『デバイス』『サービス』『使い勝手』を強化していく」とした上で、「あらゆる領域にAIが溶け込む中で『Personal AI』『Enterprise AI』『Public AI』を組み合わせたハイブリッドAIが重要になる。ポケットからクラウドまでのインフラを提供し、その上でAIを活用できる環境を整える」と語った。
デバイスという観点では、AI処理を強化したPC/ワークステーションやタブレットはレノボ・ジャパンの他、NECパーソナルコンピュータ(NECPC)や富士通クライアントコンピューティングといったグループ企業も提供している。スマートフォンならモトローラ・モビリティ・ジャパンやFCNTもある。レノボ・エンタープライズ・ソリューションズはサーバやネットワーク機器を手掛ける。グループ全体で“一気通貫”できるのが強みといえる。
檜山社長は「中でも『Copilot+ PC』は重要になる。業界で最も広いラインアップにより、ユーザーの環境に合わせた提案が可能になる」と胸を張る。フォルダブル端末の提供の他、高性能カメラを搭載するPC、画面内にカメラを埋め込んで表示を最大化したPC、世界初のNPU搭載会議室専用コンピューティングデバイスの投入など、他社(グループ)にはない差別化要素もある。
また、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」はSGSによる「High Performance AI PC Certification」を世界で初めて取得しており「AIによって求められる高機能の実現だけでなく、環境負荷の低減にも考慮している」ことを示した。
レノボ・ジャパンは、PCベースのワークステーションにおいて国内シェアが25%で、特にモバイルワークステーションではトップシェアを獲得している。檜山社長は「エッジにおけるAIワークロードの拡大に対応するために、コンピューティングパワーが求められている。その結果、モバイルワークステーションのニーズが高まっている」という。
サーバではレノボ独自の液体冷却テクノロジー「Neptune」が第6世代まで進化していることを示した他、用途や業種ごとに用意したカスタマイズ可能なAIスイート製品「Lenovo AI Library」を用意していることを紹介した。デバイス/インフラ/データ/ソフトウェア/基盤モデル/サービスの組み合わせを事前技術検証し、提供しているという。
関連記事
他社に勝てる、ユーザーが本当に求めている製品を徹底的に議論していく レノボ・檜山社長がこだわる、ハードウェアメーカーだからこそできること
コロナの5類感染症変更など、世の中の環境、経済状況や社会情勢が激変する昨今。急激な円安に伴う物価の上昇が続く中で、IT企業はどのような手を打っていくのだろうか大河原克行氏によるインタビュー連載のレノボ・ジャパン 後編をお届けする。東芝、日本MSを渡り歩いてきたNECPC/レノボの檜山社長が語る 国内トップPCメーカーの強みを生かす経営術
世界情勢の不安定化や物価の高騰、そして継続する円安と業界を取り巻く環境は刻一刻と変化している。そのような中で、IT企業はどのようなかじ取りをしていくのだろうか。大河原克行氏によるインタビュー連載の第8回はレノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピュータだ。Next GIGAで何が変わる? 文科省が「学習用端末」の要件や補助スキームの変更などを行った理由【前編】
2019年度に始まった「GIGAスクール構想」で導入された学習用端末が、2024年度から順次更新時期を迎える。そのことを受けて、端末メーカーやプラットフォーマーが置き換えを見越した動きを活発化させている。この記事では、新たな学習用端末の要件と調達方法について見ていきたい。GIGA 2.0はどうなっている? 5年間の“経験値”を元にレノボが「Lenovo GIGA School Edition」を提供開始した理由
レノボ・ジャパンが、GIGAスクール構想の第2期を想定したパッケージを発表した。第1期で得られた知見をもとに、ハードウェアだけでなくサービスやソリューションも付帯して提供することで使いやすさを高めたという。ノートPCに“売り切り”のau回線を付属して提供 KDDIが新サービス「ConnectIN」を提供開始 Dynabook/VAIOなどが採用
KDDIが買い切り型のモバイル通信サービスをハードウェアメーカーに提供する新サービスを発表した。メーカーはMVNOとしてサービス内容を決定できることが特徴で、自社のモバイル通信対応ノートPCとセットで販売可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.