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「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年9月18日現在】

Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)について、既知の不具合がいまだに報告されることがある。今回は、2025年9月18日現在の情報についてまとめる。

 Microsoftが、2024年10月1日(米国太平洋時間、以下同)から順次配信している最新のOSアップデート「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」。次期バージョンの足音も聞こえてきたところだが、いまだに軽微な不具合が報告されることもある。

 この記事では、Windows 11 2024 Updateにおいて2025年9月18日時点の既知の問題に関する情報をまとめる(一部は過去のバージョンにも影響する)。なお、2025年8月25日時点の情報については別の記事で紹介している。


Windows 11 2024 Updateの一般向け最新ビルドは「26000.6584」となる

非管理者がMSIの修復操作をすると意図せずUACが動作(修正開始)

 以下のバージョンのWindows 10/11向けに配信された8月のセキュリティ更新では、「Windows Installer」におけるインストールの修復操作に関連する脆弱(ぜいじゃく)性を修正した。

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  • Windows 10(バージョン1607以降)
  • Windows 10 Enterprise 2015 LTSB
  • Windows 10 Enterprise LTSC(2016以降)
  • Windows 11(バージョン22H2以降)
  • Windows Server 2012以降

 この更新を適用した後、標準(非管理者)ユーザーがWindows Installerの修復操作を行うと、UAC(ユーザーアカウント制御)プロンプトが意図せず出てきて権限の昇格を求める場合がある。具体的には、以下のケースでプロンプトが出てくることがある。

  • 「コマンドプロンプト」からWindows Installerの修復操作を実行した場合
  • AutoDesk製アプリ(AutoCAD、Civil 3D、Inventor CAMの一部バージョンなど)を起動した場合
  • ユーザーが初めてサインイン(ログイン)した際に、特定のWindows Installerファイル(MSIファイル)を実行する設定となっている場合
  • ユーザーアカウントごとに設定を保存するアプリを初めて起動する場合
  • 「Active Setup」からMSIファイルを呼び出した場合
  • 「Microsoft Configuration Manager」(ConfigMgr)における、ユーザー固有のアドバタイジング設定に依存するパッケージを展開する場合
  • セキュアデスクトップを有効化した場合

 UACプロンプトが出た場合、管理者アカウントの情報を入力して昇格すれば修復操作を続行できる。しかし、修復操作をサイレントで(UIを表示せずに)行うアプリでは、UACによる昇格ができずエラーが発生(≒修復に失敗)してしまう

 本件を受けて、Microsoftでは9月のセキュリティ更新において仕様を一部変更し、MSIファイルにユーザー権限昇格が必要なカスタムアクションが組み込まれている場合に限り、修復操作時にUACダイアログを出すようにした。これにより、カスタムアクションが組み込まれていない限りにおいてエラーが起こる可能性はなくなる。

 一方で、カスタムアクションが組み込まれたMSIファイルについては、引き続き本事象が発生する可能性がある。エラーを回避するには、当該PCの管理者がMSIファイルを「許可リスト」に含める必要がある。方法はサポートサイトを参照してほしい。

「CertificateServicesClient」にエラーログが記録される(修正開始)

 Windows 11 バージョン24H2に7月のプレビュー更新(KB5062660)以降の更新プログラムを適用すると、「イベントビューアー」において「CertificateServicesClient (CertEnroll) 」と呼ばれるサービスがエラーを報告することがある。本事象はWindowsに今後実装される新機能に関連するもので、現時点では無視しても構わない。

 個人向けのPCについては、8月29日に公開された8月のプレビュー更新プログラム(KB5064081)以降の更新プログラムを適用すると本事象は“順次”解消される。

 管理者がWindows Updateを管理しているPCについては、近日中に解消する見通しだ。

8月更新を適用するとNDIのパフォーマンスが著しく悪化する(修正開始)

 以下のバージョンのWindows 10/11に8月のセキュリティ更新を適用すると、「NDI(Network Device Interface)」を利用するアプリにおいて深刻なパフォーマンスの悪化が発生することがある(当初はWindows 11 バージョン24H2のみとされていたが、対象が拡大されている)。

  • Windows 10(バージョン21H2以降)
  • Windows 11 バージョン24H2

 本件について、Microsoftは9月9日から配信している9月のセキュリティ更新で問題を解消した。更新プログラムを適用すれば、回避策(利用プロトコルの変更)はしなくても済むようになる。

「Dirac Audio」を採用する一部PCで音が出ない(セーフガードホールド解除)

 Dirac製のオーディオ最適化プログラム「Dirac Audio」を採用するWindows PCの一部について、Windows 11 バージョン24H2にアップグレードすると内蔵スピーカーやBluetooth Audioデバイスから音声出力ができなくなることがあった。本事象が発生する可能性があるデバイスについては、セーフガードホールドによって本バージョンへのアップグレードが抑止されていた。

 本件について、Dirac Audioの修正モジュールがWindows Updateを通して順次配信されてきたが、9月11日をもってセーフガードホールドが解除された。セーフガードホールドが設定されていたPCについては、Windows Updateなどで修正モジュールを適用すると24時間以内にセーフガードホールドが解除され、本バージョンへのアップグレードが可能となる。ただし、他にセーフガードホールドの原因となる問題を抱えている場合はその限りではない。


Dirac Audioは、一部のPCメーカーの一部機種で採用されている

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