さらばWindows 10、ようこそ“画面付き”パーツ 古参も新規もアキバに集った2025年を振り返る:2025年のアキバまとめ【後編】(1/4 ページ)
かねて予定されていたWindows 10のサポート終了は、自作街にレガシーの風を呼び込んだ。また、CPUヘッドや机脇をディスプレイで飾るトレンドが生まれ、PC回りの意匠のオルタナティブが見えた1年でもあった。
2015年8月の販売開始以来、長らくPCの根幹を支えてきたOS「Windows 10」のサポートが2025年10月14日をもって終了する――この事実は年明けのアキバでも広く知られ、PCパーツショップのトレンドに影響を与えてきた。
年始から秋まで影響を与えた「Windows 10からの卒業」
2024年末から2025年の年始セールにかけて、(Windows 10以前より使ってきた)Sandy Bridgeマシンからの乗り換えでマシンを一式購入する古参ユーザーが各店を訪れていたという。
その後も10から11への乗り換え需要は、5月の大型連休やお盆休みなどのレジャーシーズンのたびに盛り上がった。10年以上ぶりに自作PCに挑戦する人が街に増えたこともあり、最新パーツで自作する際の注意点を解説したポスターを作るショップもみられた。
「DDR5は基本的に2枚挿しになりますからね。DDR3やDDR4になじんでいる人に向けて、解説が必要ですから」(パソコン工房 秋葉原パーツ館)
一方で、底値になったDSP版Windows 10も一部のショップでサポート終了数カ月前まで売られていた。何らかの理由でWindows 10環境を維持したい人や、スタンドアロンで使うことを前提でマシンを組む人などに歓迎され、9月にはほぼ在庫切れとなった。以降は特に混乱はなく、スムーズにポスト10の時代に移行したといえる。
Windows 10の延長サポート期限を越えた頃、にわかに浮上したのが光学ドライブの需要だ。11に移行した後も、内蔵型の光学ドライブを組み込みたいという人が各ショップを訪れるようになったのが背景にあるらしい。しかし、既にBDドライブの新製品は既に市場在庫がほぼゼロになっており、5インチベイドライブを備えたPCケースも乏しくなっていた。
それでも、10月中旬に登場したクーラーマスターの「MasterBox CM695」や、11月中旬に登場したSilverStone Technologyの「SST-FLP02W」などによって、5インチベイ搭載ケースの選択肢は増えている。
いずれのPCケースもヒットした。また、ウッド素材を使ったシックなデザインのケースも往年の自作ユーザーに好まれ、光モノの組み込みに向いたピラーレスケースとは別のトレンドを形成していたのも見逃せない。幅広い自作歴を持った人たちが自作街に足を運んでいるわけだ。
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