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レノボグループが見せた日本の未来 AIは「学習」から「推論」へLenovo Tech World Japan 2026(1/3 ページ)

レノボグループ3社が共催したイベント「Lenovo Tech World Japan 2026」では、Lenovo本社からも複数の幹部が訪れ、日本における貢献をアピールした。この記事では、記者説明会における概要をお伝えする。

 レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、モトローラ・モビリティ・ジャパンは2月17日、ビジネスユーザー向けの技術イベント「Lenovo Tech World Japan 2026」を東京都内で開催した。本イベントでは、「Smarter AI for All ~よりスマートなAIを、あらゆる人へ」をテーマに、基調講演とテーマ別の個別セッションが行われた他、主催3社とパートナー企業の最新製品/ソリューションなどが展示された。

 この記事では、本イベントに先駆けて行われた報道関係者向け説明会の模様をお伝えする。

日本におけるLenovo Group

 報道関係者向け説明会は、基調講演の内容を“凝縮”したもので、日本におけるLenovo Groupが特にアピールしたいことがバランスよくまとめられていた。

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 あいさつに立ったレノボ・ジャパンの檜山太郎社長は、「Lenovo Tech World Japanは、今のレノボグループの立ち位置や最新技術、市場動向、各社のCIO(最高情報責任者)の考え方などをユーザーやパートナーの皆さんと共有することで、この先の未来をどういう風に切り開いていくかを考えるイベントだ」と、イベント趣旨を説明した。

 本イベントのテーマである「Smarter AI for All」は、グローバルのLenovo Groupがここ数年掲げるものだ。檜山社長は「個人も企業もパブリックも、全ての人にAIを提供していくことが我々のミッションだ」と、Lenovo Groupの存在意義を強調した。


報道関係者向け説明会であいさつに立つレノボ・ジャパンの檜山太郎社長

「Smarter AI for All」がLenovo Tech World Japanのテーマだ

 続いて、Lenovoのアマール・バブ氏(シニアバイスプレジデント兼アジア太平洋地域プレジデント)が登壇し、グローバル、そして日本におけるLenovo Groupの概況を次のように説明した。

 現在、私たちは180以上の市場で事業を展開し、約7万2000人の従業員を擁している。世界10カ国に30以上の製造拠点を持ち、さらに11カ国目としてまもなくサウジアラビアにも拠点を追加する予定だ。

 2005年にIBMからPC事業を買収して以来、(Lenovoは)20年以上に渡り日本で事業を展開している。日本はアジア太平洋地域で最大の市場であり、北米、中国に次いで世界で3番目の規模だ。私たちは日本のテクノロジーの発展と歴史の一部であることを誇りに思っている。(レノボ・ジャパンの)大和研究所はThinkPadを設計/開発したラボであり、日本だけでなく世界中のエンタープライズ顧客向けの主力ブランドを生み出した。

 そして私たちは長年、日本のPC市場でナンバーワンの地位を維持している。日本国内には2つの製造工場と1つのサービス拠点があり、NECおよび富士通との2つの合弁事業を展開している他、FCNTの資産を取得し、「arrows」ブランドの技術と精神を守り続けている。


Lenovoのアマール・バブ氏(シニアバイスプレジデント兼アジア太平洋地域プレジデント)も来日し、講演を担当した

Lenovo Groupの主な研究開発/製造拠点。全世界で7万2000人の従業員を擁する

日本におけるLenovo Groupの主要拠点。NECおよび富士通とのPC事業における合弁会社を傘下に収める他、経営破綻したFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)のプロダクト事業とサービス事業を引き継いで新しい「FCNT」を発足させた

 アマール・バブ氏は、Lenovo Groupの業績とAIに関する取り組みも以下のように説明した。

 (Lenovo Groupの)ワールドワイドにおける最新四半期業績は、売上高が220億ドル超となり、調整後純利益が5億8900万ドルとなった。売上成長率は前年度同期比で+18%、純利益成長率は+36%となり、全ての事業部門が成長している中でも成長が大きいのがAI関連で、AI関連売上は全体の約32%を占め、前年度同期比72%成長している。

 AIは「パブリックAI(クラウド)」「エンタープライズAI」「パーソナルAI」の3つの形態で進化すると考えている。データはクラウド、企業、そして個人の端末に存在しているが、セキュリティー確保が極めて重要だ。LenovoがCES 2026で発表したパーソナルAIエージェント「Qira」は、スマートフォン、PC、スマートウォッチなど複数デバイスを横断し、利用者の生活や働き方を学習し、適応していく。適切な許可とセキュリティのもとで、将来的にはあなたの代理として行動できるAIを目指している。

 AI(人工知能)の導入は実験段階を超え、本格導入の段階に入っている。アジア太平洋地域の900社以上のCIO(最高情報責任者)を対象にした調査では、企業の93%がAIに投資予定で、68%が既に導入済みまたは本格展開段階だった。エンタープライズAIの課題は「ガバナンス」「人材不足」「データ分散」「信頼性」「セキュリティ」の5点だ。


Lenovo Groupのグローバルにおける2025年度第3四半期の決算概要。なお、Lenovo Groupは「4月1日~翌年3月31日」を会計年度としている

LenovoではAIを「パーソナルAI」「エンタープライズAI」「パブリックAI」の3つに大別しており、これらを組み合わせた「ハイブリッドAI」が重要になるとしている

「Qira」はLenovoが開発中のパーソナルAIで、PCだけでなくスマートフォンやスマートグラスなど複数のデバイスで利用できることが特徴だ

エンタープライズAIは、ガバナンスや人材準備、データ統合、信頼性が問題となる

LenovoがIDCに委託して行ったCIO対象の調査をもとにした「CIO Playbook 2026」によると、AIはビジネスの最優先事項になっており、日本の企業の68%がすでにAIを試験的に導入しているか、組織的な導入を進めているという。なお、日本企業のCIOは150人、アジア太平洋全体では920人が調査対象だったそうだ
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