鳴り物入りで登場した「Copilotキー」が早くもお蔵入りか──チャットボットからAIエージェントへの移行が示すMicrosoftの誤算:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Microsoftが鳴り物入りでWindows PCへの搭載を推進してきた「Copilotキー」に、早くも“無効化”の選択肢が用意される可能性が浮上した。最新のWindows 11 Insider Previewビルドで発見されたこの変更の背景には、強制配置に対するユーザーの不満だけでなく、AIが「単機能のチャットボット」から「自律的なAIエージェント」へと急激な進化を遂げているという事実がある。
Microsoftが、7月20日(現地時間)にWindows Insider ProgramのExperimental Channelで配布を開始した「Build 26300.8935」というWindows 11のInsider Previewビルドで、「Copilotキー」を完全に“無効化”する機能が付与されていたことが分かり、話題を呼んでいる。
同件を報告したXアカウントによれば、設定メニューのキーボードの情報を変更するページにある「Copilotキー」の機能をカスタマイズする項目に、同ビルドにおいて新たに「Do nothing(何もしない)」という選択肢が追加されたという。
2024年1月に大々的に発表され、2025年以降に多くのメーカーがそれに賛同する形で自社製PCへの搭載を進めていたCopilotキーだが(特に「Copilot+ PC」では必須要件)、最終的にまだ検討段階ながら「無効化する」という選択肢まで生みの親のMicrosoft自身が用意することになった。
今回はその背景を少し追いかけたい。
段階的に機能が縮小された「Copilotキー」
実のところ、Copilotキーを“無効化”ではなく“別の機能に変更する”という試みは少し前から続いており、今回はキー自体を“無効化”できるようになったというのがニュースに当たる部分だ。
Microsoftが「Copilotキー」を発表した際、PCメーカー各社は「どこにCopilotキーを割り当てるのか?」という問いに苦慮してきた。特にノートPCなどのキーボードの面積が限られる製品において、新たにキーを追加するというのは困難で、実際には“使用頻度が低い”とされる右側の「Ctrlキー」などを「Copilotキー」に割り当てることで対応してきた経緯がある。
Windows Latestなどでも触れられているが、一方でこの「右Ctrlキー」や他の「ファンクションキー」を多用するユーザーであったり、あるいは画面リーダーなどのアクセシビリティ機能を利用するユーザーの場合、このCopilotキーの強制配置によって従来まで多用していた機能が(本来の“キー”で)利用できなくなり、かえってWindows PCの利用や作業効率を損ねていたという不満の声があったのも事実だ。
そこで、2026年春ごろからInsider Previewの中で「Copilotキー」を「右Ctrlキー」など他の役割に割り当てが可能なカスタマイズ機能を提供し始め、こうした不満に応えていこうという試みが行われていた。
そして今回、新たに「Do nothing(何もしない)」という“無効化”の選択肢が出現したわけだが、鳴り物入りで登場したCopilotキーが2年も経たずにお蔵入りになる可能性が出てきたことで、一種の象徴的な出来事として捉えられたという流れだ。
なお、Build 26300.8935という26300番台のビルドは2026年後半に登場する大型アップデートの「26H2」に該当するビルドであり、おそらくは今秋にもWindows 11の多くのPCで実際にこの“無効化”が利用可能になることを意味する。
Microsoft標準アプリからの、一連の「Copilotボタン」削除のトレンドと合わせ、「Copilotの強制」という同社の戦略が後退を余儀なくされていることの表れなのかもしれない。
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