レビュー

Wacom「Cintiq Pro」に迫る実力 27型4K/120Hzで約30万円のXPPen「Artist Pro 27(Gen 2)」でお絵描きして分かった魅力と妥協点ある日のペン・ボード・ガジェット(2/4 ページ)

XPPenの大型液タブ「Artist Pro 27(Gen 2)」は、4K解像度と120Hzのリフレッシュレートを備えたハイスペックを持ちながら、スタンドや左手デバイスが付属して29万8000円というリーズナブルな価格を実現しています。本機の実力をrefeiaさんがチェックします。

4K/120Hzで高色域の全盛りディスプレイ

 ディスプレイをチェックしていきましょう。最近よくあるカラーキャリブレーション報告書は、本機にも添付されています。


従来はsRGBでの結果が付いているのをよく見かけていましたが、本機はAdobe RGBのようです

 手元の測色機で測ると、Adobe RGBを少し優先した、P3系にも十分対応できるディスプレイなのが分かります。デフォルトのカラーモードはAdobe RGBになっています。オンラインでの活動やゲーム制作などに利用したい場合には、事故の少ない標準的な発色のsRGBを選ぶか、広色域を利用したいならば設定や利用法を勉強しておくのがおすすめです。


Datacolorの「Spyder X Elite」で計測、CIE 1931色空間にプロットしました

 個人的には、スマホのような小画面よりも、大画面の120Hzの方がありがたいです。大型の液タブで120Hzを体験するのは久しぶりですが、マウス操作時はカーソルも見やすくなり、アプリやブラウザのスクロールも見やすくなるのはやはりうれしいです。

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完成度を高めたタッチ操作

 本機は10点マルチタッチにも対応しています。Windowsのペイントアプリでは本当に10本同時に線が引けるのを知っていますか?


お子さんやペットと一緒に絵を描いて遊ぶときには便利かもしれません

 それはともかくとして……。

 従来のタッチ対応液タブには、主にパームリジェクション(手のひらでのタッチを拒否する制御)の完成度によって、実用性がまちまちになってしまう課題がありました。ペンを持った手を画面に置いたら誤爆して変な操作をされてしまったり、不要な線が引かれてしまったりなどです。

 本機は、ペンが検知範囲内にある時にタッチを拒否するという基本的な制御以外にも、手の側面をペタッと置いた時にもタッチを拒否する制御も入っていて、確かな進歩を感じます。


手の側面で触れていれば誤爆しません。小指の骨ばった部分で触った場合には反応してしまいますが、それは仕方がないです

 一方で、汗でしっとりした綿手袋では誤爆してしまったり、一度拒否判定になってから手を離すまでは拒否し続けるような制御がないために、絵の様子を見るために手を傾けると誤爆してしまうなど、自分が使い慣れているワコムの「Cintiq Pro 17」の完成度と同等とまでは言えなさそうです。


化学繊維のタブレット手袋の感触が苦手で、撮影時以外は指抜きにした綿手袋を愛用しています

 本機のドライバアプリにも、タッチ操作の実用性向上への取り組みがあります。画面のある範囲だけタッチ無効にしたり、クイックメニューにのみタッチが効くように設定できます。これらを駆使すれば、制作中は確実に誤爆を避けながら、タッチ対応の恩恵を受けることもできるでしょう。


アプリごとにこの設定が切り替わってくれたら最高ですが、今はそうではないようでした

 後の実用テストでは自分のCintiq Proに甘やかされた操作ではタッチの誤爆が起きましたが、本機でちゃんと慣れて、必要に応じてアプリやドライバの設定をすれば、作業効率を犠牲にせずにタッチ操作の恩恵を受けるのは可能だと思います。

 もちろん、完成度はCintiq Proと互角になってほしいですが、本機もひとまず実用的になっているのは喜ばしいですね。

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