Windows OEMライセンス料“サイレント値上げ”のショック PC価格高騰の裏でMicrosoftが急ぐAI投資の回収:Windowsフロントライン(3/3 ページ)
PCの部品コスト上昇に伴う本体価格の値上げが続く中、MicrosoftがWindowsのOEMライセンス料金を密かに大幅引き上げしているという。PC需要の減少や、生成AIへの巨額投資に対する回収を急ぐ同社の思惑が背景にあるようだ。
キャッシュフロー問題への即効薬
このキャッシュフロー問題への即効薬としては、「コストを削る」「値上げ」の2つが考えられる。
前者は全体として事業部の活動を切り詰める方策で、例えば同社は7月にXbox部門を含む全社で約4800人のレイオフを発表したように、人件費削減は手っ取り早い対策だ。
後者の「値上げ」が今回の主なテーマになる。前出の通り、WindowsのOEMライセンス料金変更はハードウェアの価格上昇ほどには目立たず、タイミング的にユーザーの目には分かりにくいため、この変更そのものがPCの出荷台数減少には影響を与えにくい。
そもそもPC出荷台数が減少してMicrosoftのライセンス売上自体が落ち込んでいるため、これをカバーするのが値上げの狙いの1つなのだろう。
もう1つ、MicrosoftではMicrosoft 365の法人向けプランの値上げを7月1日時点で実施している。
詳細は下表の通りだが、主に低価格帯のフロントワーカー向けプランの値上げ率が高いことが分かるだろう。WindowsのOEMライセンスとは異なり、Microsoft 365は企業の業務活動に必要なアプリケーションが全て集約されているため、実質的に乗り換えが難しい。
一気に価格を引き上げると移行も検討事項に上るが、1割前後の値上げ幅であれば物価上昇分として許容される面もあり、このような形で少しずつ価格を引き上げることでCapExの膨張分を少しでも相殺していこうという考えなのかもしれない。
中小企業向け
| プラン名 | 従来価格(月額/ドル) | |新価格(月額/ドル) | 値上げ率 |
|---|---|---|---|
| Business Basic | 6.00 | 7.00 | +17% |
| Business Standard | 12.50 | 14.00 | +12% |
| Business Premium | 22.00 | 22.00 | 据え置き |
大企業向け
| プラン名 | 従来価格(月額/ドル) | |新価格(月額/ドル) | 値上げ率 |
|---|---|---|---|
| Office 365 E1 | 10.00 | 10.00 | 据え置き |
| Office 365 E3 | 23.00 | 26.00 | +13% |
| Microsoft 365 E3 | 36.00 | 39.00 | +8% |
| Microsoft 365 E5 | 57.00 | 60.00 | +5% |
フロントワーカー向け
| プラン名 | 従来価格(月額/ドル) | |新価格(月額/ドル) | 値上げ率 |
|---|---|---|---|
| Microsoft 365 F3 | 8.00 | 10.00 | +25% |
| Microsoft 365 F1(Teams有) | 2.25 | 3.00 | +33% |
| Microsoft 365 F1(Teams無) | 1.75 | 2.50 | +43% |
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