レビュー

自作沼への入り口か? ロジクールGの新ゲーミングキーボード「G512 X 75」は“盛り込みすぎ”な意欲作だった(4/5 ページ)

ロジクールのゲーミングブランド「ロジクールG」から、新たな有線ゲーミングキーボード「G512 X 75」が登場した。カスタムキーボードカルチャーの領域に大きく踏み込み、編集部内でも「キワモノ」とどよめきが起こった本機の真価を、詳細なレビューで解き明かす。

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ガスケットマウントとライトバー

 デュアルスワップがあまりに革新的すぎてその存在がかすみがちではあるが、確実に効いているのがガスケットマウント構造だ。

 基板とプレートの間にシリコン製のガスケットを挟み込み、タイプ時の振動と音を吸収する。自作キーボード界隈(かいわい)で定番となってきた構造を、ロジクールGはついにゲーミングのメインラインに持ち込んできた。

 ロジクールとしてのガスケット採用は、冒頭で触れたAlto Keysに続く2例目となる。Alto KeysのUniCushionが多層フォームを重ねた一般向けのアレンジだったのに対し、G512 Xはシリコンガスケットによる別系統の実装で、ブランドとしても「ロジクールG初のガスケットマウント」を掲げている。

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 実際に打ってみると、底打ちまでの感触はコトコト、というよりはコトンコトンッ、と少し沈み込んで止まる感覚で、ガスケットらしいたわみによって底打ちの硬さがほどよく丸まっている。爪音や金属的な反響も抑えられており、長時間タイピングしても指への戻りが軽い。

 ただ、ボディー全体として見ると質感には若干の違和感を覚えた。ゲーミングらしからぬポップさを感じる理由はそのカラーリングによるところもあるだろうが、大きいのは樹脂製の「軽さ」だ。

 これはAlto Keysのときにも共通して感じたところで、デュアルスワップに有線専用というこだわりであれば、2kgオーバーのフルメタルボディーを期待してしまうのがこれまでのカスタム界隈ではないだろうか。

 ガスケットが生むタイプの柔らかさと、樹脂ボディーの手触りの軽さが、どうも自分の意識の中でうまく整合しない感覚がある。だが、これは先行する中国メーカーの印象によるもので、逆に「新しいスタンダード」を切り開くロジクールの戦略的な狙いがあるのかもしれない。

 その一方で機能的には意味がないながらも、圧倒的な存在感を示すものがライトバーだ。ゲーミングキーボードでカスタム可能なライティングは一般的だが、メインとなるのはキーキャップ下で、それ以外だとせいぜいサイド部分程度だ。

 だが、G512 X 75では本体下部に30センチ以上の幅を持つ巨大なライトバーが配置されている。表面にはルーバー状の溝が刻まれており、33に分割されたライティングゾーンのアニメーションを滑らかに見せてくれる。

 ライトバーは斜めにカットされているため、光の放射が上向きになる。非常に目立つ存在だが、その真骨頂は別売のパームレスト「G512X-75-PR」(6490円)と組み合わせたときに発揮される。

 パームレストはマットUVコーティングを施したアクリル素材で、その内側にライトバーの光が回り込んでパームレスト全体がほのかに発光する。白い機体が緑に光るさまは、いよいよサイコフレームめいてくる。パームレストと合わせた姿こそがG512 X 75の完成形だろう。


別売のPALMREST 75。マットUVコーティングのアクリル素材を採用する。実測の重量は415gだった

中央のロゴ以外の印字はなく、プリミティブな印象を受ける

裏面の滑り止めも必要最小限に抑えられている

見た目がいかついが、とにかくよく光る

PALMREST 75を取り付けたところ。専用モデルだけに、ピタリとはまる

パームレストのエッジは、ライトバーにはまる角度にカットされている

ライトバーの光がパームレスト全体に回り込み、文字通り派手派手になる

ライトバーは33分割されたリングLEDになっており、細かくカスタマイズできる

ルーバー状の溝によって滲みが自然なグラデーションとなっている。初期設定では、左側のデュアル プログラマブル ダイヤルで光り方を調節し、プッシュ操作で消灯も可能だ

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