新世代「45ナノ」CPUの実力を「SYSmark2007」で知る──Core 2 Extreme QX9650:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
45ナノプロセスルールの時代がもう目の前まできている。その“Penryn”の性能を新世代のベンチマークでじっくりと確かめてみた。
SSE4に対応したアプリケーションでは大幅な性能向上を確認
それでは、実際のベンチマークプログラムを利用してテストしていきたい。なお、テストに利用したのはエンジニアリングサンプルで、結果に関しては製品版で変わる可能性があることをお断りしておく。また、テストに利用したのは、日本では発売される予定のないASUSTeKの「P5E3」というIntel X38 Express搭載マザーボードで、BIOSに関してはQX9650に対応したβ版であることも併せてお断りしておく。
比較対象として用意したのはCore2 Extreme QX6850(クアッドコア、3.0GHz、FSB1333MHz)とAthlon 64 X2 6400+ Black Edition(デュアルコア、3.2GHz)の2製品だ。AMDのAthlon 64 X2 6400+に関しては、デュアルコアということもあり、クアッドコアとの比較としては最適ではないが、現時点での1ソケット向けの最高性能の製品として参考の意味もあって用意した。
CPU | Core 2 Extreme | Athlon 64 X2 6400+ |
---|---|---|
チップセット | Intel X38 Express | nForce 580 SLI |
マザーボード | ASUS P5E3 | FOXCONN C51XEM2AA |
メモリ | DDR3-1333 | DDR2-800 |
メモリモジュール | PC3-10666 | PC2-6400 |
GPU | GeForce 8800 GTX | |
グラフィックスメモリ | 768Mバイト | |
グラフィックスドライバ | ForceWare v163.69 | |
標準解像度 | 1280×1024ドット、32ビットカラー | |
HDD | HGST HDT725050VLA | |
フォーマット | NTFS | |
OS | Windows Vista RTM版 |
以上のような結果から、Core2 Extreme QX9650が、現時点で最高性能を持っていることが分かっていただけると思う。もちろん、従来の最上位モデルであるQX6850と同じクロックで、かつL2キャッシュの容量が増え、新拡張命令セットであるSSE4に対応するなどの改良が施されているので、こうした結果は“予測の範囲内”と言える。
ただ、QX9650がトップでいられる期間は意外と短いかもしれない。AMDはネイティブクアッドコアの「Phenom」(フェノム)を、クライアントPC市場に向けてまもなく投入する。Phenom FXと呼ばれるCore 2 Extremeに対抗するような製品も予定されており、その性能によってはCore2 Extreme QX9650がトップを明け渡してしまう可能性もある。
さらに、身内にもライバルがいる。というのは、インテルは来年の第1四半期にFSBを1600MHzに引き上げ、動作クロックを3.2GHzに引き上げたCore2 Extreme QX9770の投入を計画している。これがリリースされれば、確実に“最高性能”の称号を譲ることになるだろう。
もっとも、QX9770を使うには、FSB1600MHzに対応した専用のハイエンドチップセット「Intel X48 Express」と組み合わせる必要があるので、システムはマザーボードから大幅に入れ替えることになってしまう。QX9650なら、既存のFSB1333MHzに対応したチップセットで利用できるので、すでにそうしたマザーを使っているユーザーにとっては、有望な選択肢となるだろう。
QX9650の実売価格は999ドルが予定されている(1ドル=115円で計算すると約11万5000円になるが、インテルは日本での価格についてまだ明らかにしていない)。下手するとノートPCが買えてしまうだけに、誰もに勧められるCPUではないが、とにかく最高性能というハイエンドゲーマーや予算に余裕があるユーザーなら検討する価値があるだろう。
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