東芝が放つ“ネットノート”の実力は?――「dynabook MX」を比較:CULVノート列伝(2/2 ページ)
東芝のCULV版CPU搭載ノートPC「dynabook MX」は、13.3型/11.6型の2モデルがラインアップされている。Core 2 Duo SU9400とCeleron 743の差はどれくらい?
SU9400(1.4GHz)とCeleron 743(1.3GHz)の差は?
ベンチマークテストは、MX/43KWHとMX/33Kの両モデルで「PCMark05」「3DMark06」「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」を実施した。まずはWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見てみよう。いずれもグラフィックススコアは低めの値だが、これはチップセット内蔵コアに頼る仕様だけに仕方のないところだ。また、3.3というスコアは32ビット版Windows 7(Home Premium)の新機能を使うには十分な性能だろう。一方、大きく差が出たのはやはりCPUで、Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)を採用するMX/43KWHが4.3だったのに対し、Celeron 743(1.3GHz)のMX/33Kは2.9にとどまっている。
この結果はPCMark05でも同様の傾向を示しており、CPUスコアがMX/43KWHの3424に対してMX/33Kの2142とかなりの開きがある。もっとも、CPUスコアが1500程度の一般的なNetbookに比べればCeleron 743(1.30GHz)でも明らかに性能は高く、25%程度の性能向上は見込めそうだ。一方、3DMark06とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはいずれも低く、3Dゲームの快適なプレイは現実的ではない。DirectX 8.1世代のFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3でさえLowで2300程度と低調で、エフェクトを調節すれば遊べないこともない、といったレベルだろう。
なお、騒音に関しては、ベンチマークテスト中でようやくファンの風切り音が聞こえるといった程度で、よほど静かな環境でない限り気にならないレベルだった。また、システムに負荷をかけた状態が長く続いてもパームレストに不快な熱を感じるといったこともなく、快適に利用できた。
MX/43KWHとMX/33Kは、ともに10.8ボルト/6.1ワットアワーの着脱式バッテリーを標準で搭載し、公称値でそれぞれ10.5時間/9.5時間のバッテリー駆動時間をうたう。ここでは「BBench 1.01」(海人氏作/IEEE802.11gの無線LAN、60秒間隔でのWeb巡回×10サイト、10秒間隔でのキーストロークを行う設定で実施)を使い、ディスプレイの明るさを最大、電源設定をハイパフォーマンスモードにしてバッテリー駆動時間を計測してみた。
結果はMX/43KWHが5時間49分、MX/33Kが5時間39分(ともにバッテリー残量5%で休止状態に移行)とまずまずで、公称値には届かなかったものの、モバイルPCとして十分に活用できるバッテリー性能を証明した。今回はハイパフォーマンスモード/輝度最大の設定で計測しているが、電源プランをバランスにしたり、ディスプレイの明るさなどを最適化する東芝独自の省電力ユーティリティを使えばさらに駆動時間を延ばせるはずだ。
以上、東芝のCULVノートPC「dynabook MX」の上位モデルと下位モデルを並べて見てきた。ともに機能やバッテリー駆動時間に差はほとんどないため、モバイルPCとして活用するのであれば、MX/43KWHとMX/33Kのどちらを選ぶかは、性能と持ち運びやすさのどちらを重視するかに置き換えられるだろう。
ただし、実売価格を見ると(発表当初より安くなったとはいえ)MX/43KWHが10万円前後、MX/33Kは7万円強となっている。ほぼ同じ価格帯で外部GPU搭載モデルやデュアルコアCeleron搭載モデルも並ぶ海外メーカーの競合機種に比べてしまうと、やはり割高な印象は否めない。確かに、外装の作り込みやサポート体制、国内メーカーならではの安心感といった部分も重要な選択基準の1つだが、東芝に限らず、国内PCメーカーにはもう少しがんばってほしいというのが正直なところだ。
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